Vol.21 朝ごはんを見直そう!

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投稿日:2015/01/15
どんなものを選んで・作って・食べればいいか、それが「大人の食育」。
口に入れてゴックンする前に、体に良い食べ方を知って 体の中からキレイになりましょう!

2015年、新しい年がスタートしました。
‘始めよければ終わりよし’という言葉のとおり、何事も最初が肝心。そして、1日の始めといえば、「朝ごはん」。朝ごはんをきちんと食べていますか?どんな朝ごはんを食べていますか?

最近の調査では、男性の14.4%、女性の9.8%が朝ごはんを食べていません。
特に朝ごはんを食べない世代は20代。20代男性の30.0%、女性の25.4%が朝食を欠食しています。
20代は若さで多少の無理はききますが、働き盛りの世代がこんな状態では、いい仕事ができているとは決して言えないでしょう。

■ 朝ごはんを食べないと、どうなるの?

1.脳のエネルギーが足りなくなり、午前中ボーっとして、仕事のミスが多くなります。

人の脳は、糖(ブドウ糖)をエネルギー源にしています。その糖のエネルギー源を蓄えておく場所は、筋肉や肝臓です。ここで糖を「グリコーゲン」という貯蔵エネルギーにして蓄えています。
残念ながら、脳では蓄えられません。
そして、脳は、寝ている間もずっと働いています。記憶の整理をしています。
ですから、寝ている間も脳ではエネルギーが消費され、朝起きた時、筋肉や肝臓に蓄えられているグリコーゲンは空っぽ状態。たとえ残っていたとしても、1~2時間程度しか持ちません。
これも通勤ですっかり使い果たされます。

朝ごはんを食べないと、脳がエネルギー不足となり、思考能力や理解力などの脳機能が落ちて、結果、仕事に支障が出ます。

2.体温が上がらず、体が思うように動きません。

人の体温は「食べものを食べること」と「運動」によって生み出されます。
食べものを食べなければ、熱が生まれません。朝ごはんを食べないと熱になるエネルギーが不足し、体が思うように動かず、だるい、やる気が出ないなどの不調につながります。また、つまずいたり怪我をしやすくなったりというリスクもあります。さらに、冷えの原因にもなります。

3.腸が動かず、便秘につながります。

1日の食事で一番間隔があくのが、昨日の晩ごはんと今朝の朝ごはん。
寝ている間に、前の日に食べたものは、どんどん腸へ送られていきます。
ちなみに、食べ物が食道を通るのは、5、6秒、胃で2時間、小腸で6時間、大腸で12~24時間。
つまり、朝起きた時、胃と小腸は空っぽです。ここに朝ごはんを食べると、胃や小腸が目覚め、その刺激が大腸に伝わって、おなか全体が動きだします。
また、便を出すの‘ガストリン’ というホルモンは、朝ごはんを食べた後が一番出やすくなります
朝ごはんは、腸をうごかす原動力になっているのです。

以上のようなことが「朝ごはんが必要な理由」です。

特に子どもの場合は、朝ごはんを食べた子と食べない子の「学力」と「体力」に明らかな差が出るため、国の食育推進基本計画では、子どもの朝ごはんの欠食率を0%にするという目標が定められています。

■ 朝ごはんに何を食べていますか?

では、先ほどの調査で「朝ごはんを食べている」と答えた85%の男性と90%の女性は、どんな朝ごはんを食べているのでしょうか?

今、朝ごはんを食べても、栄養ドリンクだけ、果物や乳製品だけという「単品の朝ごはん」、あるいはお菓子や菓子パンを食べる人、
機能性食品で済ませる人などが増えています。
写真のようなものは「おやつ」で、朝ごはんではありません。


実は、このような朝食は、朝ごはんと認められていません。
厚生労働省などの定義では、このような朝ごはんは、食べていない人と同じ「欠食」と扱います。
同様に、悪い例として「おかずのない朝ごはん」「火を使わない朝ごはん」「包丁を使わない朝ごはん」などが挙げられます。

現在、2年後の平成28年度からの施行に向けた第三次食育推進基本計画が内閣府で検討されていますが、‘朝ごはんの定義’も見直さなければならない課題の1つとなっています。

■ 朝ごはんに食べるもの

では、どんな朝ごはんが良いのでしょうか?それは・・・

1.脳の栄養となる糖、つまり「炭水化物」を食べること。
ごはん・パン・麺類などの炭水化物を朝ごはんに必ず食べて、脳のエネルギーを補いましょう。

2.熱のもとになる「タンパク質」も食べましょう。
卵や魚、肉、大豆製品、乳製品など、熱を生み出し、体温を上げる食品も摂りましょう。

3.腸の働きを良くする「食物繊維」を含んだ野菜や果物も食べましょう。
食物繊維は、便の量を増やしたり、有害物質の排泄を促したりします。おなかの調子を整える野菜や果物、海藻、きのこ類を朝ごはんに必ず食べましょう。

この他、「温かい食べ物か飲み物をとること」も重要です。
人は体温が上がることで、眠りから目覚め、自律神経やホルモン、免疫の機能が‘日中モード’に
シフトします。ですから、朝、体温を上げることは何よりも大切!

最近は、シリアルやグラノーラ、スムージーなど、冷たい朝ごはんが人気ですが、体と心を元気にしたいなら温かい食べ物や飲み物を朝ごはんで食べましょう。

■ ごはんか?パンか?

和食の朝ごはんと洋食の朝ごはん。どちらが体に良いのでしょうか?

よく言われる「和食」と「洋食」のメリット&デメリットから、朝ごはんを見て見ますと、和食の朝ごはんは、おなかの持ちがよい、食物繊維やミネラルを摂れる、簡単に用意できる、塩分を多く摂りがち。
一方、洋食の朝ごはんは、簡単に用意できる、見た目が華やか、カロリーが高い、おなかの持ちが悪い、食物繊維やミネラルが不足しがち、など。

このうち、和食にも洋食にも「簡単に用意できる」とありますが、子ども通信教育会社の調査によりますと、「朝ごはんが和食か洋食かは、お母さんの料理の得意不得意と関係ない」という結果が出ています。
なんとなく「料理の得意なお母さんが和食の朝ごはん」というイメージですが、要は「習慣」「慣れ」の問題ということ。料理の得意不得意よりも、習慣によって和食も洋食も同じように「簡単に用意できる」というわけです。

和食より洋食のほうが、食器などのアイテム数が多く必要です。
和食は、ごはん茶碗、お椀、箸、おかずの皿、醤油さし、湯のみなど。
洋食は、フォーク・ナイフ・スプーン・バターナイフ・ジャム用スプーン、パン皿、スープカップ、おかずの皿、マグカップ、ミルクピッチャーなど。アイテム数が多く、用意も片付けも意外と手がかかります。

また、「おなかの持ち」という点では、やはりごはんが優れています。
ごはんの糖分は「でんぷん」です。でんぷんは、たくさんのブドウ糖が結合してできているためおなかに入ると、一つひとつがポロリポロリと緩やかに分解されます。
一方、パンは、小麦粉を一旦粉にして、固めて焼いていますので、消化・分解が早くなります。
欧米人よりも腸が1.5倍長いと言われている日本人には、やはり、和食の朝ごはんのほうがお昼までしっかりがんばれるのです。

和食は、常備菜の種類をいくつか用意しておけば、あとはタンパク質系の卵や納豆などと野菜や海草・きのこの入ったお味噌汁で、
簡単にバランスのよい朝ごはんができます。

では、ここで一旦、自分のお昼ごはんと晩ごはんのスタイルを思い出してみましょう!
昼や夜に洋食が多い人、また、洋食が食べたい人は、朝ごはんを和食にしましょう。
一方、昼や夜に和食が多い人、または、和食が食べたい人は、洋食でも構いません。

健康を考えれば、「和食の朝ごはん」がおすすめですが、今の時代、食事は楽しみながら食べるもの。
楽しみながら健康に結び付けるものです。自分の食事スタイルのバランスを考えて選びましょう。

■ 朝ごはんの豆知識

東北大学の脳科学の先生が、子どもの『朝食のおかずの品目(内容)と脳の発達の関係』を調べました。
実験前、脳科学者の先生は、脳は糖(ブドウ糖)があれば動くので、糖さえ摂っていれば、脳機能に差は出ないと思っていました。

そして、「おにぎりだけ食べた子」と「おにぎりとおかずを食べた子」に分け、比較すると、おにぎりだけを食べた子より、おかずも食べた子のほうが「ほぼすべての脳機能が高い」という結果に!
ここでいう脳機能とは、記憶力・言語操作・論理思考・空間認など、どれも勉強に欠かせないもの。

また、「朝食のおかずの数と脳の発達に正の相関関係がある」という結論も出ています。
つまり、いろいろなおかずを食べて学校に来る子の方が、頭が良くなるというわけです。
この結果は、栄養素は相互に作用し合って良く働くということを証明していると言えるでしょう。
先生ご自身も驚きの結果だったとおっしゃっていますが、以上が‘単品の朝ごはんよりおかずのある朝ごはんが良い理由’です。勉強はもちろん、大人の仕事においても同じことです。

また、朝ごはんは、体内時計のリセットに有効です。
1日の長さは24時間。人の体内時計は25時間周期。朝の光を浴びることと朝ごはんで修正されます。

さらに、朝ごはんは肥満防止になります
実際、朝ごはんを食べない人は肥満の確立が高いというデータがあります。人は、1食抜くと体がちょっとした危機を感じ、次に食べた食事の吸収率が高まります。
朝ごはんを食べないと、前の日の晩ごはんから12時間以上も空腹状態が続き、次に食べる昼ごはんを余すことなく蓄えます。また、この場合、昼食だけでは物足りず、間食にもつながります。
太らない体づくりのためにも朝ごはんを食べましょう。

そして、朝ごはんを食べるには「朝早く起きること」。朝早く起きるには「夜早く寝ること」。
当たり前のことですが、今、深夜型の生活、夜更かしの人が増えています。
それに合わせ、いろいろな生活時間も後倒しになっています。たとえば、10年前、晩ごはんを6時台に食べる人が一番多かったのですが、今は、7時台に食べる人が47%と一番多くなっています。
夕食の時間を早めにすることも、次の日の朝ごはんをしっかり食べるポイントです。

たかが朝ごはん、されど朝ごはん。朝ごはんは「食事の大黒柱」といわれています
最初から完璧な朝ごはんを目指す必要はありません。
ちょっと見直して、できることから始めてみることが、良い朝ごはんへの近道です。

清水 千佳子

食育インストラクター/健康管理士一般指導員/FM Radio Program Director
日本成人病予防協会 専任講師 http://www.japa.org/?page_id=8057
正しい味覚を持つ子に育てる食育教室“テーブルルネサンス”代表講師

2005年、食育基本法の成立とともに食育の取材を開始。
ラジオ番組『服部幸雄の食育の時間』Japan FM Network(FM東京系列) 制作ディレクター
地元では杉並区食育推進ボランティアとして食育企画を立案・実施。
リマ・クッキングスクール(マクロビオティック料理)在籍。女児の母。




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