Vol.22 食べて美肌

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投稿日:2015/02/15
どんなものを選んで・作って・食べればいいか、それが「大人の食育」。
口に入れてゴックンする前に、体に良い食べ方を知って 体の中からキレイになりましょう!

乾燥が続くこの季節。肌のトラブルが気になる時期でもあります。
私は毎年冬を越すとシワが増える気がするのですが、皆さんはそんなことありませんか?

女性にとってきれいな肌はかけがえのないもの。今回は、食べ方と美肌の関係をご紹介します。

まず基本情報として、人の体は毎日「新陳代謝」しています。肌の新陳代謝=ターンオーバーは、28日ですね。新しい肌に28日周期で生まれ変わっているわけですが、これは20歳の頃のこと。
20歳を境に、そのペースが落ちてきます。これは成長ホルモンの関係からで、残念ながら、どうすることもできません。
その「新陳代謝」で必要なのが、食べ物からの栄養です。人の体は、主にタンパク質からできています。
血や骨、筋肉、臓器、爪、髪の毛など、私たちの体の構成材料の大部分がタンパク質です。

ちなみに、食事ではふつう、タンパク質のおかずよりも、ご飯・パン・麺類などの炭水化物を多く食べますが、炭水化物は、体のエネルギーに換わるため、体自体にあまり残っていません。
このことが、炭水化物がエネルギーに換わっている証拠なのです。

さて、タンパク質に戻って、タンパク質が体の構成成分ということは、肌も大部分がタンパク質から作られているということ。
ですから、タンパク質が足りないと、肌がうまく新陳代謝できず、美肌でいられなくなります。

■ タンパク質と肌の関係

「肌のためにビタミンをとる」という人は多いと思いますが、肌にとって一番必要なものは、タンパク質です。食事からとったタンパク質は、体内でアミノ酸に分解され、その一部がNMF(Natural Moisturizing Factor)になります。NMFは、皮膚の表面にあたる角質に存在する天然の保湿成分で、コラーゲンやエラスチン(弾性線維)の材料になります。
つまり、肌のハリと弾力のもとがNMFで、それを作るのがタンパク質です。

ところが、今、20~30代の女性で、タンパク質が不足している人が多くなっています。ダイエットやコレステロールの悪いイメージから肉を食べない女性がいます。
確かに、肉の食べすぎはよくありません。生活習慣病の原因であることは確かです。
しかし、肉にも「必須アミノ酸」という、人の体内で作ることのできない=食べ物から摂らなければならないタンパク質が含まれています。タンパク質は、美肌の源。きちんと食べましょう!

タンパク質は、肉の他に魚・卵・大豆製品・乳製品などに含まれています。


一食分のタンパク質の適量は、片手の手のひらに乗るくらい。肉の場合、1日一食を上限とします。
肉を食べた次の日は、魚など他の食材からタンパク質を摂るようにします。
また、摂り方として、一食に2種類以上のタンパク質を組み合わせると、バランスが良いと言われています。たとえば、肉(少量)と大豆製品、魚と卵、大豆製品と乳製品など。
顔に化粧水をつけるよりも、肌のNMFをキープして水分量の保たれた潤いのある肌を作るには、タンパク質をとることが大切なのです。

■ 炭水化物と肌の関係

ごはん・パン・麺類などの炭水化物は、肌と関係ない?と思われがちですが、そんなことはありません。
まず、肌のターンオーバー=新陳代謝に必要なエネルギーは、炭水化物を摂ることによって生まれます。
たとえば、ダイエットなどで摂取カロリーが不足すると、エネルギー不足で血液の流れが悪くなり、体が冷えます。こうなると、正常なターンオーバーが行われなくなり、肌がくすむ原因に。

実は、炭水化物は、肌のくすみと大きく関係しています。今、美容業界では、「糖化」という言葉が注目されていますが、炭水化物は、糖のもと。炭水化物を食べると、体の中で糖(ブドウ糖)に分解されて、血液によって体の隅々まで運ばれ、体温や新陳代謝のエネルギーになります。

ところが、この糖=炭水化物を食べすぎると、体の構成成分のタンパク質と摂り過ぎた糖が結びつき、‘終末糖化産物AGEs(エイジズ)’が作られます。イメージとして、赤い肉を焼くと褐色の堅い肉に変わりますが、それと同じ。肌が糖化すると、コラーゲンが堅くなって弾力が失われ、肌がゴワつく他、AGEsが黄色いため、くすみの原因にもなります。

ご飯・パン・パスタなどの麺類、甘いもの、お酒も要注意!果実酒も糖分が高いです。

このAGEsは、食後の血糖値の上昇を緩やかにすることで予防できますので、「食事は野菜から食べる」「主食を玄米や未精製の小麦製品にする」「食物繊維を多くとる」ようにしましょう。

ただし、糖化が気になるからと言って、炭水化物を全く食べないというのは、もってのほか!
炭水化物は、腸内細菌の善玉菌のエサにもなり、ビタミンの合成を促しますので、「適量を食べること」が大切です。

■ 脂肪と肌の関係

では、油と肌にはどんな関係があるのでしょうか?
先ほど、人の体は新陳代謝を繰り返しているとお話しましたが、この新陳代謝をしているのは、体の一つひとつの細胞です。そして、その細胞の膜「細胞膜」の材料となるのが油です。
ですから、油分が足りないと肌がカサつきます。肌の潤いのヴェールを作るのが、良質な油なのです。

では、どんなものが良い油なのでしょうか?
油には、「できるだけ減らしたい油」と「積極的に摂りたい油」があります。

「できるだけ減らしたい油」は、「トランス脂肪酸」という植物油と水素を化学反応させて作った油です。これは自然界に存在しない油で、具体的には、マーガリン、ショートニングなど。
安いお菓子やパン、ファストフード店の揚げ物などには、これらの油が使われている場合が多いです。

もう1つは、コーン油、ひまわり油、紅花油などのリノール酸。リノール酸は、体内で作ることができず、食べ物から摂らなければならない油として、かつては健康的なイメージで宣伝されていましたが、(余談:先日スーパーで「この鶏肉はリノール酸たっぷりでヘルシーです」と宣伝していましたが)現代の食生活でリノール酸は摂り過ぎ傾向です。
摂り過ぎると、体が炎症を起こしやすくなり、肌荒れやアトピー、アレルギーの原因になります。
外食やテイクアウトの加工食品、インスタント食品などは要注意。

一方、「積極的に摂りたい油」は、魚の油のDHAやEPA、えごま油、しそ油、アマニ油に含まれるαリノレン酸です。αリノレン酸は、炎症を抑え、血液をサラサラにしてくれます。ただし、とても酸化しやすい性質ですので、加熱調理には向きません。ドレッシングなどにして摂りましょう。

適度な良質の油は、肌にツヤを与える他、ホルモンの材料にもなりますので、やわらかい肌のもとになる女性ホルモンも味方につけることができます。
ちなみに、‘うるおい美肌成分’といわれる「セラミド」も油の一種で、角質に含まれる水分の80%をセラミドが保っていると言われています。油の役割も大きいのです。

■ ビタミンの働きは?

美肌=ビタミン。確かにそうですが、これまでお話したとおり、タンパク質・炭水化物・脂質(油)が美肌にとって大きな役割を果たしています。

では、ビタミンは?というと、それはアンチエイジング効果

たとえば、ビタミンAは、シワ対策化粧品に含まれるレチノールが、ビタミンAの一種です。
ターンオーバーを促進し、内側からハリのある肌にする働きがあります。
ただし、ビタミンAのサプリメントの利用は、過剰症のリスクもあるので注意が必要です。
ビタミンAは、うなぎ、レバーなどの多く含まれますが、緑黄色野菜にも含まれます。

野菜から摂る場合は、過剰摂取のリスクはありません。人参、かぼちゃ、ホウレン草、小松菜、パセリなどがおすすめです。

ビタミンB群は、食べたものの代謝をアップする働きがありますので、AGEsの予防にもつながります。
そして、美肌といえば、ビタミンC。

ビタミンCは、強い抗酸化作用から、紫外線のダメージでできるシミを防いだり、コラーゲンの生成を助ける作用から、潤いをキープすることができます。

さらに、ビタミンEは、「老化防止のビタミン」といわれるほど、抗酸化作用が高いので、肌の老化のスピードを緩やかにしてくれます。

美肌のためには色々な栄養が必要となりますが、食べ物や栄養素は、「ひとつの物だけ集中して食べれば効く」というものではありません。
むしろ、色々なものを食べることによって、相互に栄養素の働きがアップします。
多すぎたり、少なすぎたりしないよう、いろんな食べ物をおいしく食べて下さい。

そして、最後に、肌の潤いの90%以上は、食事から補われています
化粧品に頼るよりも、まずは、食生活を大切にして「食べて美肌」を作りましょう!

清水 千佳子

食育インストラクター/健康管理士一般指導員/FM Radio Program Director
日本成人病予防協会 専任講師 http://www.japa.org/?page_id=8057
正しい味覚を持つ子に育てる食育教室“テーブルルネサンス”代表講師

2005年、食育基本法の成立とともに食育の取材を開始。
ラジオ番組『服部幸雄の食育の時間』Japan FM Network(FM東京系列) 制作ディレクター
地元では杉並区食育推進ボランティアとして食育企画を立案・実施。
リマ・クッキングスクール(マクロビオティック料理)在籍。女児の母。




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