Vol.23 調味料の健康的な使い方

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投稿日:2015/04/15
どんなものを選んで・作って・食べればいいか、それが「大人の食育」。
口に入れてゴックンする前に、体に良い食べ方を知って 体の中からキレイになりましょう!

人がまだ原始的な生活をしていた頃、食べ物に味付けはされていませんでした。
狩猟で得た動物の肉には少量の塩分が含まれていますし、海の産物には塩味がついています。
塩作りが始まったのは、米作りの始まりと同じ頃。やはり、ごはんをおいしく食べるには、塩味が必要だったわけです。

サルがイモを海水で洗う映像をご覧になったことがありますか?
イモに塩味を付けるとおいしくなるので、サルも自然とやっているわけですが、これは味付けすると食欲がアップするということ。
海外の実験では、サルの餌に味の付いてないイモを与えると、一定量を食べ、それ以上食べることはありませんでした。ところが、イモに油と砂糖で味付けすると、サルはいつもの4倍の量を食べ、さらにもっと欲しがりました。この実験からわかることは、調味は食欲中枢を刺激し、食べ過ぎにつながる
こともあるということです。

ですから、食べ過ぎを防ぐには、まず薄味にすること。また、薄味のものは、よく噛まないとおいしく感じません。良く噛むことは肥満防止のほか、味覚の発達にもつながります。
調味料は、必要最低限。健康的な使い方を身につけましょう。

■ 砂糖の選び方

日本に砂糖が本格的に輸入されたのは、豊臣秀吉の天下統一の16世紀以降のこと。それまでの日本の甘みは、ハチミツや果物などの自然な甘みでした。そこに砂糖が伝来。強烈な甘さに当時の人たちもアッという間に虜になったことでしょう。

疲れた時、甘いものを食べると元気になる。これは砂糖がブドウ糖に分解されやすく、ブドウ糖はすぐに脳のエネルギーになるから。ただし、砂糖は、「砂糖中毒」という言葉があるほど、慢性的に食べたくなり、もっともっとと量が増えてしまう傾向にあります。
先日、世界保健機関(WHO)が砂糖の推奨量を見直しました。砂糖についての奨励は、とても珍しいことで、背景には世界的に増える肥満があります。
推奨量は、1日25g。3gのスティックシュガー8本分。大さじですと2杯分。ただし、これは食事をすべて自分で作った場合の目安で、外食・中食・加工食品の利用やケチャップ・ドレッシング・タレなどの調味料にも砂糖は含まれますので要注意。

また、砂糖の99%以上は炭水化物ですので、栄養成分表示の炭水化物の量は、ほぼ砂糖の量に相当します
このアイスは、1個あたり炭水化物が21.7gなので、1日の砂糖の推奨量25gの大部分をこのアイスで摂ってしまうことになります。


砂糖を料理で使う場合、今、いろいろな砂糖が売られています。
精製度の高い白砂糖の「上白糖」や「グラニュー糖」は、スッキリとした甘さでクセがないため、お菓子や飲み物など、甘さだけを加えたい場合に。
「黒糖」は、精製度が低いためカルシウム・カリウム・鉄などのミネラルやビタミンもわずかながら含まれています。独特の味と香りが楽しめます。

「きび砂糖」は、最近人気の砂糖です。サトウキビの汁をそのまま煮詰めて作ったもので、黒砂糖の風味や栄養を残しながら、粉末状になっているため使いやすくなっています。

煮物に向いているという「ザラメ糖」や「三温糖」は、白砂糖を加熱・着色したもので、栄養的には白砂糖と変わりません。
これらは、すべてサトウキビを使った砂糖ですが、砂糖大根を使った砂糖もあります。

「てんさい糖」です。甜菜は、北の大地で育つ砂糖大根が原料です。
てんさい糖にはオリゴ糖という成分が含まれ、オリゴ糖は腸内の善玉菌のエサになります。そのため善玉菌が増え、整腸作用を促します。

てんさい糖は、普通の砂糖と比べ粒が大きいので、加熱調理に向いています。
普段、お菓子作り以外で大量の砂糖を使うことはありませんが、少しでも体に良いという点では、やはり「てんさい糖」がおすすめです。

そして、調味は「さしすせそ」の順で! よく言われることですが、砂糖→塩→酢→醤油→味噌の順で味付けすると、おいしくなります。砂糖を一番に入れるのは、塩よりも砂糖の分子が小さくから。
塩を先に入れてしまうと、食材の細胞に先に塩分が入ってしまい、砂糖の分子が入り込むすき間がなくります。そのため甘みが付かなくなるからです。

■ 塩の功罪

塩は、高血圧の原因の一つで、摂り過ぎが問題視されていますが、塩も体にとって大切なミネラルです。
血液やリンパ液などは、塩分濃度が0.9%に保たれ、これにより体内の水分バランスが調節されています。
ただし、塩は1日たった0.3gで生命を維持できると言われています。
現在、日本人の1日の塩分摂取量は10gほど。世界保健機関(WHO)の推奨量は、1日5g未満ですので、やはり「減塩」は日頃から心がけたいものです。

塩を少しでも健康的に使いたいなら、精製度の低い粗塩を選びましょう。「食塩」と書いてあるものは、精製度が高く、塩化ナトリウムがほぼ100%。塩化ナトリウムは、しょっぱさの素です。
塩味を活かしたい時に向いています。

一方、粗塩は、精製度の低く、塩化ナトリウムは90%ほど。残り10%ほどにマグネシウムやカルシウム、カリウムなど、いわゆる「にがり成分」が含まれます。しょっぱさの中にも甘みやコクがあり、塩味に深みを持たせています。どうせ塩を使うなら、ナトリウム以外のミネラルが少しでも摂れる粗塩を選びたいもの。ちなみに、岩塩には、塩化ナトリウム以外のミネラルはほとんど含まれません。

「肉には岩塩を使う」という方も多いと思いますが、岩塩は溶けにくく、塩の純度が高いので、ステーキなど表面に塩味を付けたい場合に向いています。肉に塩を使う時のポイントは、塩の振り方。
よく日本人は魚を焼くのと同じように、塩を振ってから肉に焼きますが、これでは焼いている間に肉の旨味が逃げ出してしまいます。肉は「焼きながら」あるいは、「焼いた後で」塩を振りましょう
この方が、より塩味を感じることができ、肉の旨味も残っていて、おいしい減塩につながります。
また、岩塩を煮込み料理に入れる時は、味見をする前に必ずかき混ぜます。よく溶かしてから味見をしないと、後からしょっぱくなってしまいます。

さらに、ベーコンやハム、じゃこなど、食材に塩分が多く含まれる時は、その食材の塩分だけで調理をするようにします。

■ 減塩につながる酢・醤油・味噌

酢は殺菌作用があるため、梅雨~夏にかけて重宝されますが、季節を問わず取り入れたいもの。
酢には体内の疲労物質を分解する働きがあり、疲れが残りにくくなります。また、酢は体内でクエン酸に分解され、クエン酸が体内の酸化物質と結びついて化学反応を起こし、酸化物質を減らしてくれます。
つまり、体の酸化防止、老化予防に。さらに代謝をアップする働きもありダイエット効果も!

調味料としては、塩味を引き立たせる、旨味を引き出す、油っぽさを軽減するなどの効果があります。
中華料理にお酢をかけるとおいしくなるのは、こういった理由から。

お酢が塩味を引き立てる効果から、カレーや煮物、みそ汁など、塩味がちょっと足りないかな?と思った時、隠し味に少しお酢を加えると、味がまとまっておいしくなり、減塩もできます。

また、焼き魚に醤油をかけたい時は、お酢と醤油を半量ずつで合わせたものを作っておくと、ポン酢をかけるのと同じ原理で、減塩プラス魚のタンパク質の旨味を引き出すこともできます。

醤油について詳しくは、Vol.17「醤油にこだわってみませんか?」をご覧下さい。
ここでは減塩醤油や減塩味噌の使い方について。
これは、「きちんと計量して使うこと」です。自分の舌にたよって味付けしてしまうと、結局、味が濃くなってしまいます。また、醤油や味噌を使う時は、ダシをしっかり取ることも大事。
風味の効いたダシで調理すれば、醤油や味噌の塩分が少なくてもおいしく食べられます。

洋食の場合は、スパイスやハーブを上手に使うこと。
ちなみに、味覚が敏感な子どもは、薄味でもおいしく食べられますが、味覚が衰えてくる大人は、調味料をある程度使わないと、おいしく食べられません。
同様に、子どもがネギ・ショウガ・ニンニクなどの薬味を嫌うのは、そのような刺激がなくてもおいしく食べられるから。逆に大人は、味覚が鈍くなっているため、薬味の刺激がないと、おいしく食べられません。減塩に薬味は必需品。
また、「焼き目」「焦げ目」などの香ばしさも減塩につながります。

最後に、健康的な味付けで一番大切なのは、調理の最後に味を付けること
スペアリブのような漬け込み料理や味がよく染み込んだ煮物が食べたい場合を除いて、味付けは最後にしましょう。味付けを最後にすることで、素材の表面だけに味がつき、調味料の量を減らせるだけでなく、素材そのものの味を味わえることになります。

煮物の場合は、食材に火が通ってから味を付けます。カレーやシチューなどは、煮込んでいる時に塩味を付けてしまうと、食材のほうに味がしみ込んでしまい、最後にまた塩を足すことになります。
味付けを最後にすれば、ルーに付けた塩味だけで食べられます。
この場合、2日目になると塩味が食材に吸収されて薄くなってしまうので、もう1度食べる直前に調味します。「味付けは、最後の最後にちょっとだけ」。

調味料とうまく付き合って、より健康的でおいしい食事を目指しましょう!

清水 千佳子

食育インストラクター/健康管理士一般指導員/FM Radio Program Director
日本成人病予防協会 専任講師 http://www.japa.org/?page_id=8057
正しい味覚を持つ子に育てる食育教室“テーブルルネサンス”代表講師

2005年、食育基本法の成立とともに食育の取材を開始。
ラジオ番組『服部幸雄の食育の時間』Japan FM Network(FM東京系列) 制作ディレクター
地元では杉並区食育推進ボランティアとして食育企画を立案・実施。
リマ・クッキングスクール(マクロビオティック料理)在籍。女児の母。




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