Vol.26 地球温暖化と食

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投稿日:2015/08/17
どんなものを選んで・作って・食べればいいか、それが「大人の食育」。
口に入れてゴックンする前に、体に良い食べ方を知って 体の中からキレイになりましょう!

この夏の暑さに「地球温暖化」を実感された方も多いことでしょう。
日本の気温が過去100年でどのくらい上がったか、ご存知ですか?

答えは1.14度。たったそれだけ?と思われるかもしれません。この数字は全国平均です。
特に気温上昇が深刻なのは都会です。ヒートアイランド現状が伴い、東京では過去100年で3.3度上がっています。また、一説によると、体感温度としては8度も上がっていると言われています。

さらに、最近は、「異常気象が日常化」しています。
気温が30度を超える「真夏日」は、現在、東京で年間49日。
これが2100年=今世紀末には107日になるだろうという予測です。東京の真夏は3ヶ月以上になります。
大阪では、現在、73日が142日に。沖縄の那覇は、98日が183日に。
全国平均では、今より53日も真夏日が増えるという予想です。

こうなってくると、自然が相手の食の世界にも大きな影響が及んできます。
気温が高くなる傾向は、北日本や日本海側で多く見られています。
北日本や日本海側といえば、日本の‘米どころ’。お米も心配です。
 
確かにお米は暖かいほうが生育は良いのですが、暑すぎると根が痛みます。

温暖化による収穫量の変化はあまりないが、お米の内側が白く濁る品質低下のリスクが高くなると言われています。
ちなみに、今、北海道産のお米が美味しくなっているのは、気温上昇で北海道でもお米が栽培しやすくなったことと、品種改良による成果です。


また、温州みかんは、作付けできる土地がなくなると予測されています。
みかんといえば、日本を代表する果物。

このほか、りんごやぶどうなど、日本の限られた地域で栽培されている名産の果物は、たとえば、りんごの色づきが悪くなるなど、暑さによる被害がすでに出始めています。

将来、青森のすっぱいりんごも貴重価値になることでしょう。
そして、当然ですが、温暖化の影響は、食品価格にも跳ね返ってきます。国産の農産物が今よりも安くなる日はまずないと言っていいでしょう。

小麦は本来、カラッと乾燥し土地で生育しますが、数十年ほど前にオーストラリアの大干ばつで小麦の生産量が激減し、世界の小麦価格が高騰。この時、コシの強いオーストラリア小麦を原料にしている讃岐うどんは、大ピンチになりました。これと同じことが世界中でいつ起きたとしても不思議ではありません。
そして、この地球温暖化のほかに、世界人口の増加、中国など新興国の経済発展なども加わって、小麦の世界争奪戦がすでに始まっています。
日本でもこのところ、食品価格の値上がりが続いていますが、毎度必ずと言っていいほど小麦製品が値上がりしています。

さらに、温暖化による水源地の水不足。自治体によっては、水源地の土地の売買が条例で禁止されているところもありますが、すでに外国資本に買われてしまった日本の水源地も存在します。
いつか日本のおいしい水を中国から買う日が来るのでは?というブラックジョークもありますが、それ以前に、温暖化による水源地の水量や品質の問題が出てきます。

■ 温暖化はもう止められない

今年の夏、グリーンランドの氷の面積がさらに減っているというニュースがありました。
実は、クリーンランドの氷は、国連のICPP(気候変動に関する政府間パネル)では、ティッピング・ポイント(Tipping Point)と呼ばれ、その氷が溶け始めると、温暖化が爆発的に進み、止めることができなくなるという指標になっています。
つまり、もう温暖化は止められないのです。

魚の問題もあります。秋の名物、サンマ。サンマやサケのように北で獲れる魚が減っています。

このため、サンマの鮮魚の価格が年々上がっています。
その分、南で獲れる魚が増えています。本来、暖かい海水を好み、本州以南であがるクロマグロやトラフグが北海道で獲れています。

地球の海水温もこの100年で0.5度上がっています。

日本では「地球温暖化」という言い方で、なんとなく「暖かくなる」ゆるいイメージですが、世界では「Climate Change気候変動」と呼ばれています。
この原因は、もうご存知の、二酸化炭素などのいわゆる「温室効果ガス」が大気中に増えていることです。

実は、この温室効果ガスが、地球のまわりにあることで、地球全体の温度は、14度に保たれています。
もし、このガスがなかったら、地球の気温はマイナス19度になります。
温室効果ガスは、ないと困るものではありますが、20世紀なかば以降、CO2=二酸化炭素は、過去に例がないほど増えてしまいました。ヨーロッパの産業革命以来、増え続けていると言われていますし、日本の場合は、戦後の高度経済成長が影響しています。

■ 温暖化防止のためにできる食行動

まずは、このCO2を減らすこと。
では、家庭から排出さえるCO2のTop3をご存知ですか?

1位は車。2位が水道や給湯、3位が暖房、以下、冷蔵庫、照明となっています。
水道が2位というのは、意外かもしれませんが、実は「節水」もCO2を減らすことにつながります。
それは、水を作ったり、運んだり、浄水したりする時にCO2が出ているからです。ちなみに、炊事に使う水の量は、1人1日40リットルにもなります。

そして、食という視点から温暖化を防ぐには、「地産地消」がキーワードです。
「地産地消」とは、文字通り、地元でとれた食材を選んで食べること。

地元でとれた食材は、輸送にかかるCO2をぐ〜んと減らせます。

もし、地元でとれた食材で献立が揃わなかったら、隣の県や同じ地方、より近くでとれた食材を選びましょう。とはいえ、たとえば、東京の食料自給率は、たった1%。大阪と神奈川が2%。自給率が100%を超えているのは、北海道だけです。

日本では地元の食材が簡単に手に入らないのが事実です。
どうにか国産品を集めて調達できれば良いのですが、日本は地球の裏側から食料を調達している国です。
日本の食料自給率は、39%。つまり、61%は輸入に頼っています。

ちなみに、先進国の食料自給率を見てみますと、オーストラリア230%、フランス 130%、アメリカ 119%、ドイツ 91%、イギリス 74%。

もう1つ、フードマイレージという視点もあります。
これは、産地から消費者の食卓まで食品を運ぶ距離のこと。日本は9000億トン/kmに対して、アメリカは2900億トン/km。日本は食料輸入にアメリカの3倍ものフードマイレージをかけ、世界中から食料を輸入しています。特に輸入にたよる外食は、地球環境への負荷が大きいといえるでしょう。

地産地消を心がけるほか、食に関してできる温暖化対策は、いろいろあります。

・食材は旬のものを選ぶ。ハウス栽培など旬でない食材は、生産時に大きなエネルギーを必要とします。

・加熱時間を短くする。鍋にフタをする。火力をこまめに調節。圧力鍋の使用。保温調理をする。

・みんなで集まって食べる。揃って食べれば温め直す必要もなく、冬の場合、暖房費の節約にもなります。

・食器洗いは節水を心がける。油汚れのひどいものはペーパーなどで拭いてから洗う。給湯器の設定温度も低めに。ちなみに、水道のレバーは、少しでも左に動かすとお湯が混ざるようになっています。

・食品ロスを減らす。食べられるのに捨てられるものを「食品ロス」といいます。買いすぎない、賞味期限を参考に食べ切るなど、無駄をなくしましょう。日本人1日1人あたりの食品ロスは、おにぎり1〜2個分です。

残念ながら、日本では食べることが地球温暖化と直結しています。しかし、食べないわけにはいけません。
そこで、食からできる温暖化防止は、”おいしく&楽しく“をモットーに“無理しない、頑張りすぎないこと”がとても大切になってきます。

清水 千佳子

食育インストラクター/健康管理士一般指導員/FM Radio Program Director
日本成人病予防協会 専任講師 http://www.japa.org/?page_id=8057
正しい味覚を持つ子に育てる食育教室“テーブルルネサンス”代表講師

2005年、食育基本法の成立とともに食育の取材を開始。
ラジオ番組『服部幸雄の食育の時間』Japan FM Network(FM東京系列) 制作ディレクター
地元では杉並区食育推進ボランティアとして食育企画を立案・実施。
リマ・クッキングスクール(マクロビオティック料理)在籍。女児の母。




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