第7回 犬ちゃん・猫ちゃんのフィラリア予防

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投稿日:2015/11/27

「きれい生活研究所」読者の皆さま初めまして。動物看護士・宮村夏美です。

第6回までこのコラムを担当していたトリマー・高橋由香里さんに代わり、第7回以降のコラムを担当させていただきます。

動物看護士として日々勉強している中で、飼い主さんとの関わりの中で、そして、犬ちゃん・猫ちゃんたちとの触れ合いの中で感じ得たことをもとに、コラムをつづっていきたいと思っています。

ペットと飼い主さんのかけがえのない大切な時間をより楽しく、さらに充実して過ごしていただくために、「お手伝いができれば」と考えております。よろしくお願いいたします。

第7回は「フィラリア症の予防」についてお話します。

現在でも怖い病気「フィラリア症」

フィラリアは、昔に比べれば感染は減ったものの、現在でもまったく珍しい病気ではありません。
なぜなら、
 ・飼い主さんのフィラリア予防に対しての認識が弱い場合
 ・一年を通して暖かい時期が長い地域で飼われている場合
 ・フィラリアの予防自体が浸透していない場合
感染の危険が高まってしまいます。

当院でも、1年に1〜2匹の犬ちゃんがフィラリア症検査で陽性反応となり、実際に感染していることがあります。残念ながら、飼い主さんの中にはフィラリア症予防や検査を拒否される方もいらっしゃいます。そのためにも、飼い主さんへ、しっかりとしたアドバイスを続けていこうと思います。

フィラリア症は犬ちゃんだけ?

猫ちゃんもフィラリア症が発症することがあると、近年わかってきました。当院でも今まで何件か、フィラリア症が疑われる猫ちゃんが入退院を繰り返し、闘病していたことがあります。
猫ちゃんの場合は、犬ちゃんとは感染のメカニズムが違い、検査をしても反応が出にくいということもあり、判断がなかなか難しいようです。猫ちゃんと暮らしている飼い主さんも気をつけてくださいね。

フィラリア症はどんな症状が出るの?

フィラリア症にかかっている犬ちゃんの血液を蚊が吸血し、また別の犬ちゃんの血液を吸血するその時に感染させてしまう感染症が「フィラリア症」です。

フィラリア症が引き起こす病気には、
 ・肺高血圧症(肺性心)
 ・右心不全
 ・動脈硬化症
 ・心不全
 ・肝硬変
 ・腎不全
など、さまざまな臓器の機能不全が引き起こされます。
このような状態になってしまった臓器は、治療をしても正常な臓器の働きに戻せないことが多いのです。

フィラリア症のシグナルは?

人間の言葉を話せない動物達ですが、病気が進行してくると体が色々なサインを出します。ぜひ、気づいてあげてくださいね。

フィラリア症の初期症状は出づらく、病気が進行してくると以下のような症状が出ます。

・咳が出る→咳と言うと、人間の「こほこほっ」という咳を連想するかもしれませんが、犬ちゃんたちは「ゲハッ」「カハッ」「ゲェッ」というように、何かが喉に引っかかったような、何かを吐き出したいような咳をします。心臓や気管支、肺に異常のない犬ちゃん・猫ちゃんの喉を押したりさすったりしても咳は出ませんが、何らかの異常のある動物たちの喉を少し刺激するだけで、咳は誘発されます。

・運動やお散歩の勢いが、今までに比べて弱くなってきた
それまで、お散歩グッズを見るだけで嬉しそうにはしゃいでいたのに、反応はするものの、なんとなく動きが鈍い。お散歩の行きは元気だけど、すぐ帰りたがったり、途中で止まってしまったりするようになった。  
  
・食べている量は変わりないのに体重が減ってきた

・食欲がなくなる→フードを食べる量がかなり減ってきた。フードをまったく受け付けなくなった。それまで背中や肋骨まわり、腰まわりに脂肪や筋肉がついていたのに骨ばってきてゴツゴツしてきた。

・毛ヅヤがわるくなる

さらに進行が進むと次の症状が出てきます。
・腹水がたまる→痩せているのにお腹だけ膨れている
・血尿が出る→赤ブドウ酒、お醤油色に近いおしっこが出ます
・貧血を起こす→全身に酸素を運ぶ赤血球が少ないために常に酸欠状態になり呼吸困難になってしまう

少しでも「なんかおかしいな?」と感じたら病院へ。早期発見をして、処治療法をしてくださいね。

ここが重要!大事なペットをフィラリア症にしないために

一番大事なのは、フィラリアという寄生虫を成長させて心臓・肺動脈に寄生(フィラリア症に感染)させないこと。つまりフィラリアの成虫を、成虫になる前に駆除することです。これがフィラリア症の予防となります。予防方法には何通りかありますので、犬ちゃん・飼い主さんにあった方法を病院で相談してください。

ちなみに、当院でのフィラリア症予防は5月から12月まで、一か月毎に8回、予防薬の投与をお勧めしています。なぜなら当院の地域では、蚊を見かける期間が4月~11月いっぱいまでと言われているから(年間の平均気温が上昇し、蚊が活発な時期が長くなれば必然的に予防期間も長くなると思います)。
また、「犬ちゃんが飲み薬は苦手」「飼い主さんがつい投薬日を忘れがち」という場合は予防注射を接種してもらい、6か月間、もしくは12か月間効果が持続するものをお勧めしています。

猫ちゃんも犬ちゃんと同じく、予防期間は5月から12月までですが、予防薬は後頭部から、肩甲骨(舐めとられないように)地肌に液剤を付けるスポット剤をお勧めしています。
12月よりも前に投与を止めてしまうのは危険です。11月には蚊を見ることがほとんどありませんが、12月に投与を忘れたばっかりに感染してしまった犬ちゃんも実際にいたのです。蚊の姿は見てなくても、温かい建物の中で、いつ・どこで蚊に遭遇しているかわからないということを、頭の隅においていただけたら動物看護士として大変嬉しいです。

フィラリアの検査はどういうもの?

当院でも用意していますが、フィラリア症の検査キットがあります。フィラリア成虫が体内にいた場合、成虫特有の抗原を検出し、高い精度で感染の有無を確認できるものです。
検査を行うタイミングは、予防を始める前の“春先”がベストです。なぜなら、フィラリアに感染している犬ちゃんにいきなり予防薬を投与すると重篤な副作用が出ることがあります。これを事前に防ぐために、予防前の検査が重要になるからです。

飼い主さんへのメッセージ

簡単な予防をしっかりしていくことで、フィラリア症を防ぐことができます!
「今まで知らなかった…」とか「今年の予防を忘れていた…」と思った飼い主さんは、「来年でいいや!」ではなく、動物病院へ相談してみてくださいね!

私たち動物みんなが共存していく上で、一番の願いは「ヒトとペットたちがお互いを大切にし、大好きな家族として思い思われ、願わくはいつまでも長く一緒にいられる時間を共有したい」ということですね。

飼い主の皆さま、犬ちゃん・猫ちゃんと楽しく過ごしましょう!
第8回は「混合ワクチン」を予定しています。次回も読んでくださいね。

宮村夏美

動物看護士。12歳で子犬を保護し、その犬が天寿を全うするまで一緒に暮らす。その間、夢中で愛犬と遊び、無償で返ってくる愛情に心が癒され、助けられる。
「愛犬のために何かしてあげたい」という想いから、動物看護士の道を歩む。目指しているのは「動物たちがストレスなく過ごせる幸せな環境づくり」。
飼い主さんと獣医師の橋渡し役、ペットについての悩みを抱える飼い主さんの良き相談役になっている。日々の原動力は、ともに暮らした愛犬への強い想いだ。

うちだ動物病院
http://www.uchida-animal-hospital.com/index.html




この記事へ 2 件のコメント

ぶにこ

2016年2月9日 at 3:38 pm

初めまして。
コラムニストさん、バトンタッチされたのですね。
ワクチンやフィラリアに関して、老犬の場合どのようにしていくのか大変興味深いところです。

楽しみにしていますので、また次回もよろしくお願いいたします。

    宮村夏美

    2016年2月15日 at 9:38 am

    ぷにこ様
    はじめまして、宮村です。
    はい!この度から担当を替わりました。
    家族の一員であるペット達との幸せを、私も力の限りサポートすることができたなら幸いです。
    貴重なご意見をありがとうございます!
    シニアの年代になったワンちゃんの予防接種は慎重になりますよね。
    私の愛犬も晩年の年齢になった時、若い頃よりもハツラツさが無くなってきたことも心配になり、獣医師と相談して予防接種を受けるかどうかを判断していました。
    フィラリア・混合ワクチン等の予防接種を考える際、重症な疾患を抱えている場合はよく獣医師と相談される事をお勧めいたします。
    フィラリア症予防についてですが、フィラリア症に感染してしまい心臓内に寄生したフィラリアの虫がワンちゃんを苦しませて寿命をも短くしてしまう恐れがありますので、年齢に関係なく、定期的にフィラリア予防薬を受けることをお勧めいたします。
    混合ワクチン予防接種についてですが、次回の第9回コラム「混合ワクチン」後編にて、ぷにこさんからのご意見も参考にさせていただきながら、お話させていただきたいと思います。
    今後もまた何か気になる点がありましたら、ぜひ、ご意見を聞かせていただければ大変勉強になります。

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