第8回 犬ちゃん・猫ちゃんの「混合ワクチン」【前編】

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投稿日:2016/02/10

「きれい生活研究所」読者の皆さま、こんにちは。
動物看護士・宮村夏美です。

第8回のテーマは「混合ワクチンについて」です。
大切なペット達を様々な伝染病から身を守る混合ワクチンですが、まずは「何のためにワクチン接種することを推奨しているのでしょうか…?」を知っておきたいですね。
前・後編でお届けします。

世界からみた感染症の現状

2016年現在、多くの先進国で混合ワクチン接種は飼い主さん達の理解を得ていますが、ワクチン接種を受けている患者さんの数を表すと30~50%にすぎないと推定されています。この数字だけ見るとまだまだ接種率が低いことがわかりますので、もっと飼い主さん達のワクチン接種へのご理解を得たいと感じています。

さらに、発展途上国の多くはこのワクチン接種率が国によって異なるもののかなり低くなっています。ワクチン接種での予防ができていないために、かつての先進国と同じように日常的に感染症が認められており、小動物の主な死因となっているそうです。

世界では、国や地域によって流行しているウイルスに違いはあれ、いつどこで何のウイルスに感染してしまうかわかりません。そして、日本でも北から南まででそれぞれ流行しているウイルスが違うので、地域の獣医師とよく相談してから接種しましょう。

ウイルス感染から発症する症状・ワクチンの種類

コアワクチン

地球上には多くのウイルスが存在しますが、全てのウイルスに対応できるワクチンが開発されているわけではありません。そこで猫ちゃん犬ちゃん達の混合ワクチンの対象になっている主なウイルス対象のワクチンがあります。
まず、世界中で感染が認められる重度の致死的な疾患から防御するものがコアワクチンと呼ばれます。

猫ちゃんの「コアワクチン」対象のウイルス(世界共通)
 ●猫ヘルペスウイルス感染症(猫ウイルス性鼻気管炎)
  → 発熱・クシャミ・食欲不振・鼻水・呼吸困難・結膜炎・死流産
 ●猫カリシウイルス感染症
  → 発熱・口内の潰瘍、水泡・食欲減少・くしゃみ・流涙・鼻漏・呼吸困難
 ●猫汎白血球減少症(猫パルボウイルス)     
  → 発熱・食欲消失・下痢・嘔吐・妊娠末期~生後2週間に感染すると小脳形成不全の為運動失調・死亡率の高いウイルス

犬ちゃんの「コアワクチン」対象のウイルス(世界共通)
 ●犬ジステンパーウイルス
  → 発熱・鼻汁分泌・元気消失・結膜炎・下痢・肉級の角質化・ケイレン発作・後躯麻痺・死亡率の高いウイルス
 ●犬アデノウイルス(犬伝染性喉頭気管炎)
  → 発熱・クシャミ・乾いた咳・鼻炎・体温上昇・食欲不振・死亡に繋がる事が高い肺炎
 ●犬パルボウイルス感染症
  → 食欲不振・下痢・血便・嘔吐・脱水症状・急激に衰弱・心筋の影響による突然死・伝染力も強く死亡率の高いウイルス

ノンコアワクチン

次に、その地域の環境・ライフスタイルによって感染症のリスクがあり得る動物に必要なものと定義されているものがノンコアワクチンと呼ばれます。

猫ちゃんの「ノンコアワクチン」対象ウイルス(国内)
 ●猫クラミジア感染症
  → 眼ヤニ(慢性結膜炎)・鼻水・くしゃみ・咳・軽い肺炎
 ●猫白血病ウイルス感染症
  → 貧血・食欲不振・元気消失・リンパ節の主張(悪性腫瘍)

※ 悪性腫瘍への直接的な対症療法もなく、理想は家族と共にストレスの無い生活を送らせてあげたい。しかし3歳以下であれば腫瘍への治療が良い反応のする確率があるともいう。

犬ちゃんの「ノンコアワクチン」対象のウイルス(国内)
 ●犬伝染性肝炎
  → 突然死(生後1年未満の仔犬)・元気消失・水様鼻汁・発熱・腹部の痛み・下痢嘔吐等 
 ●犬パラインフルエンザウイルス感染症
  → 軽い上部気道炎・発熱・咳・鼻漏、伝染性がとても強い、など
 ●犬コロナウイルス感染症
  → 嘔吐・水様下痢・食欲消失(成犬ならば胃腸炎程度で済む事もあるが、犬パルボウイルスとの混合感染では重症化する)
 ●犬レプトスピラ感染症 (※人畜共通感染症)
  → 発熱・震え・嘔吐・筋肉痛・口腔粘膜の出血・潰瘍・血便・黄疸・尿毒症の2.3日後死亡する可能性もある。

※ 病原体を保菌した野生動物が排尿等に病原体が排出されるものを直接触れたり、小川などに流れ、犬ちゃんが感染し、そしてヒトも感染し同じく重い症状が現れます。

子猫・子犬のワクチンプログラム
産まれた子猫・子犬たちには母親からの免疫が続いている期間があります。生後8週齢~12週齢(2か月齢~3か月齢)頃までは、母親からもらった免疫で体を守っています。
この時期は子離れ親離れする時期でもあり、新しい環境へ飛び出して親兄弟以外の動物と触れ合うべき時期にあたり、同時に何らかのウイルスに遭遇する確率も高まります。

母親からの免疫が切れる時期に、新たな免疫を付けるため動物病院でワクチン接種を受けさせてあげましょう!

子猫・子犬に母親からもらった免疫がある期間にワクチンを接種しても、母親からの免疫に跳ね返されてしまいます。
子猫・子犬を家族に迎えたら生年月日を把握し、後のワクチンプログラムの日程は獣医師に任せましょう。

ワクチン接種をしましょう
ワクチン接種をしに動物病院へ訪れた時、獣医師から問診を受け、体温を測ったり身体検査をしたりと健康状態をよくチェックされると思います。
愛猫・愛犬の気になる症状がある時は、接種時に必ず獣医師に相談しましょう。


例えば、
 ○妊娠している
 ○お腹に寄生虫がいる(獣医師の処方された駆虫薬で駆虫しましょう)
 ○熱がある(何らかの病気でないか診察を受けましょう)

健康状態を日頃から確認しておきましょう。

ワクチンのアレルギー反応

ワクチンには感染症が発症しても症状を軽減できるという最大のメリットがあります。しかし、ワクチンに対してアレルギー反応が出ることも少ない確率ですが起こり得ます。

アレルギー反応・副反応の代表的な例をあげておきます。
 ○顔がはれる
 ○下痢、嘔吐の症状
 ○普段の元気がないようにみえる

上記以外に、15~30分以内に症状が出る「アナフィラキシ―反応」といって極めて珍しい反応で呼吸困難などのアレルギー反応が出る場合があります。
これらの症状が出た場合はすぐ獣医師に相談し処置ができるように、ワクチン接種後、2~3時間ほどはよく様子を見てあげましょう。何か変化がある場合は動物病院に相談してくださいね。

※一度アレルギー反応が出た場合でも、次の機会のワクチン接種では獣医が安全を考慮しワクチン製造メーカーを変えるなどの注意を払って接種することで、その後も感染率の高い伝染病を予防することができます。

成猫・成犬のワクチン接種後の注意点
ワクチン接種が完了した後にこれらの注意点があります

 ○過激な運動
 ○交配
 ○入浴、シャンプー

などの行為は2、3日間ほど避けて安静に過ごし、何か様子も変だな?感じたら動物病院に相談してみましょう。(過激でなければいつも通りのお散歩は問題ありません)

猫の肉腫

猫白血病ウイルス感染症ワクチンに含まれているアジュバント(ワクチンの効果を高める添加物の一部)という物質が、ごく稀に悪性腫瘍になる事もある「猫の肉腫」を引き起こしてしまう事があります。
数か月間・長期期間、注射部位のしこりが触れる時は獣医師に相談してみましょう。

子猫・子犬のワクチン接種終了後の注意点

上記と同じく問題無く接種を終え半日程様子を見た後、

 ○接種後の入浴・シャンプーは3日間控える

この1点は大人と同じですが、生まれてから一度も接種したことのない週齢・すなわち子犬子猫の場合、ワクチン接種後2~3週間は免疫が得られないため、この期間は特に体調の悪い動物やワクチン接種のしたことのない他の動物とは接触は避けておきましょう。

第9回は「混合ワクチン」【後編】をお届けします。
次回も読んでくださいね。

宮村夏美

動物看護士。12歳で子犬を保護し、その犬が天寿を全うするまで一緒に暮らす。その間、夢中で愛犬と遊び、無償で返ってくる愛情に心が癒され、助けられる。
「愛犬のために何かしてあげたい」という想いから、動物看護士の道を歩む。目指しているのは「動物たちがストレスなく過ごせる幸せな環境づくり」。
飼い主さんと獣医師の橋渡し役、ペットについての悩みを抱える飼い主さんの良き相談役になっている。日々の原動力は、ともに暮らした愛犬への強い想いだ。

うちだ動物病院
http://www.uchida-animal-hospital.com/index.html




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