Vol.30 骨にも栄養を!

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投稿日:2016/04/15
どんなものを選んで・作って・食べればいいか、それが「大人の食育」。
口に入れてゴックンする前に、体に良い食べ方を知って 体の中からキレイになりましょう!

突然ですが、最近、整形外科にかかったことはありますか?
整形外科というと部活の捻挫や突き指、社会人になってからは、急な運動でどこかが痛くなって受診するところ。
おなじみ度があまりない科だと思います。
実は最近の整形外科、年配の女性でいっぱいです。特に75歳、80歳を超えた後期高齢者の人が多く見られます。
膝が痛い、腰が痛い、そして、ちょっと動いただけで起きる背骨の圧迫骨折など。
定期的に骨の状態を調べてもらう人もいます。
寿命は伸びていますが、超高齢者の女性の骨は、自分の体を支えきれないほど脆くなっているのです。

■ 骨密度のピークは二十歳

骨密度の高い骨は、骨の中に細かい編み目のネットがびっしり張り巡らされたようになっています。
一方、骨密度の低くなった骨は、ネットの編み目が大きくなって、まさにスカスカの状態。
こうなると、植木鉢をちょっと持ち上げただけでも骨がつぶれ、骨折します。

生涯で骨密度のピークは二十歳です。二十歳までは、さかんに骨にカルシウムが沈着し、骨の生まれ変わり=代謝も活発で、どんどん骨が強く大きくなります。そして、骨を丈夫にする要素は運動です。
中高生のバスケ部やバレー部の子供たちの背が伸びるのは、たえずジャンプして、骨に刺激が伝わっているから。
骨は、刺激(振動)が伝わることで、代謝のスピードが速くなります。結果、背がよく成長し、強くもなります。
重力の刺激が少ない水泳部の子は、あまり大きくなりませんよね。

成長ホルモンの影響もあり、二十歳までは、食べ物から摂ったカルシウムをせっせと骨に蓄えることができます。
しかし、二十歳を過ぎると、骨にカルシウムを蓄えることができなくなります。
つまり、骨密度は下がる一方の下り坂。残念ながら、年齢だけはどうにもなりません。

でも、自分の努力でこの骨密度の減少を緩やかにすることができます!では、どうすればいいのでしょうか?

■ 骨にはやっぱりカルシウム

骨といえば、まずカルシウム。やはりカルシウムは大切です。カルシウムが多く含まれる食品の代表が乳製品です。

ちなみに、乳製品で100g中一番多くカルシウムを含むのがパルメザンチーズです。
できれば、塊で売られている本物をすりおろして使いましょう。
密閉容器に入れて冷凍庫に入れておけば、いつでも簡単に使うことができます。


乳製品は手軽にカルシウムが摂れるという点では優れていますが、脂肪分も多いので、乳製品が多くなると太りやすくなります。乳製品ばかりでなく、小魚・海藻・緑黄色野菜など、いろいろな食品からカルシウムを摂りましょう。

小魚のうち、カルシウムが最も多く含まれるのが桜エビです。また、ヒジキや切り干し大根などの乾物にもカルシウムは多く含まれますし、意外にも、小松菜や水菜・ブロッコリーなど、緑の緑黄色野菜菜にもカルシウムは多く含まれます。

参考までに、体内のカルシウムは、99%が骨や歯に、残り1%は血液や細胞中に存在します。

■ カルシウムだけでは丈夫にならない!

骨はカルシウムだけでは丈夫になりません。カルシウム以外で、骨にとって大切な栄養素は、ビタミンDとマグネシウム。
まず、ビタミンDは別名「骨のビタミン」と言われ、骨へのカルシウムの沈着を促します。
腸でカルシウムの吸収を促しているのがビタミンDです。ですから、たとえカルシウムが足りていても、ビタミンDがないと骨は作れないのです。

ビタミンDを多く含む食品は、鮭やカワハギ・アンコウの肝・にしんなどの魚介類。また、キノコ類やキクラゲにも多く含まれます。
食べ方としては、鮭とキノコのクリームスープや小松菜とキノコの炒め物など、カルシウムの食材と組み合わせるのがオススメです。

キノコ類は、軸を上にして2、3時間太陽に当ててから使うとビタミンDがUpするといわれています。

このビタミンDは、ちょっと変わったビタミンです。普通ビタミンは、体内で作ることができませんが、ビタミンDは体内で作ることができます。その方法は、日に当たること。
紫外線によって、皮膚の直下でビタミンDが作られますので、特に冬は1日30分程度、屋外に出ることも大切です。
また今は、車でも家庭でも窓ガラスがUVカットですので、主婦の方も毎日最低でも買い物程度は、外に出ましょう。
さらに、地下鉄通勤や職場に光が入らない方も、お昼ごはんの時など日陰で十分ですので紫外線を感じることをおすすめします。

そして、もう1つマグネシウム。マグネシウムはカルシウムとともに骨を作るミネラルです。
マグネシウムの不足が直接骨に関わることはありませんが、マグネシウムの不足でカルシウムとの体内でのミネラルバランスが崩れてしまうため、結果として骨に影響がでます。

マグネシウムを多く含む食品は、大豆や納豆などの豆類、アーモンドやピーナッツなどのナッツ類、玄米など未精製の雑穀や海藻類にも多く含まれます。海藻類は、1日に1回は食べておきたい食品です。

マグネシウムは和食を食べていれば不足することはありません。しかし、最近は和食離れですので、骨の健康という点からも和食をオススメしておきます。

■ 骨を弱くしてしまうもの

今、骨に大きな影響があるのが、骨を弱くしてしまう食品を多く食べていることです。
まずは、加工食品の利用。加工食品にはリン酸塩という食品添加物がよく使われています。
たとえば、ハムやソーセージ・ちくわなどの練り製品は、保水性を高めプリプリした食感を出すためにリン酸塩が使われています。また、酸味料として清涼飲料水やスナック菓子、グラノーラや漬物などにも使われていることがあります。リン酸塩はインスタント食品にも多く使われています。

実は、リン自体はカルシウムとともに骨を構成するミネラルですが、体内のミネラルバランスからすると、カルシウム対リンは、1:1の利用効率が理想的です。ところが、加工食品等の利用で体内にリンが増えると増えたリンを1として、カルシウムを同じ1に合わせるために、足りないカルシウム分を骨から補充してしまいます。
つまり、その分、骨が弱くなります。加工食品・外食・テイクアウトの食事の利用は注意が必要です。

さらに、カフェインも骨を弱くします。カフェインを摂るとカルシウムが尿として排泄されやすくなります。

コーヒーや紅茶、緑茶などをよく飲む方は、カフェインレスの飲み物も取り入れましょう。
ハーブティーのほか、最近ではコーヒーや紅茶でもカフェインレスのものが売られています。カフェインは鉄分の吸収を抑えてしまうので、貧血を予防するという意味でもカフェインレスはオススメです。

また、タバコやアルコールの飲み過ぎも骨を弱くしますし、塩分や糖分のとりすぎも尿へのカルシウムの排泄が増え、結果、カルシウム不足の原因に。ストレスも腸でのカルシウムの吸収を妨げるのでよくありません。現代の生活は、骨を弱くしてしまうことが多いのです。

■ 今すぐ運動を!

先ほども運動による骨への刺激が骨の生まれ変わりを高めるとお伝えしました。
しかし、いくら運動で骨の代謝が高まっても、大人の骨は成長しません。
しかし、運動で骨密度の減少を緩やかにすることができます。
まず、20代で運動の習慣を身につけましょう!骨密度がピークに近い状態の時から運動を始めれば、良い状態の骨をキープできます。

30代以降で運動習慣のない方は、すぐに運動を始めましょう。特に女性は、女性ホルモンのエストロゲンが骨と大きく関係しています。閉経によってエストロゲンが出なくなると、骨からカルシウムが溶け出して急激に骨密度が下がります。そのため、骨密度が下がる前の閉経前までには運動習慣を身につけたいものです。
運動で骨密度の減少を少しでも阻止しましょう。
運動では特に骨に刺激が伝わるようなジョギングやウォーキング、縄跳びがオススメです。ウォーキングは踵から着地して、骨への刺激を意識しましょう。

70代以降の骨粗鬆症を防ぐには、今のうちから骨の健康に気を使うことが大切です。
骨が弱くなっていくのは実感できません。
一度、骨密度を測って自分の骨を数値で把握しておくことも、骨への意識を高めるコツです。

清水 千佳子

食育インストラクター/健康管理士一般指導員/FM Radio Program Director
日本成人病予防協会 専任講師 http://www.japa.org/?page_id=8057
正しい味覚を持つ子に育てる食育教室“テーブルルネサンス”代表講師

2005年、食育基本法の成立とともに食育の取材を開始。
ラジオ番組『服部幸雄の食育の時間』Japan FM Network(FM東京系列) 制作ディレクター
地元では杉並区食育推進ボランティアとして食育企画を立案・実施。
リマ・クッキングスクール(マクロビオティック料理)在籍。女児の母。




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