Vol.31 薬膳を味方に

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投稿日:2016/05/15
どんなものを選んで・作って・食べればいいか、それが「大人の食育」。
口に入れてゴックンする前に、体に良い食べ方を知って 体の中からキレイになりましょう!

薬膳というと、どんなイメージでしょうか?
漢方薬や独特な香りを思い浮かべる方も多いと思います。でも、特別な食材を使わなくても薬膳はできます。それは、たとえばショウガが体を温める作用があるように、どんな食材にも体に対する働きや作用があるからです。

身近な食材で薬膳を取り入れてみませんか?
それには、まず自分の体質と向き合って、どこをどんなふうに改善したいのか、なりたい自分になれる食材選びから始めましょう。
今回は中でも女性によくある症状とおすすめの食材をご紹介していきます。

■ 薬膳料理とは…

薬膳は、中国の医学=中医学がベースになっています。中医学は4000年もの長い歴史があり、19世紀に急速に発展した西洋医学との大きな違いは、その歴史の長さにあります。その分、経験値が豊富だということ。
また、「未病」という状態から治療を始められるのも中医学の特徴です。西洋医学は、病名を診断してから薬を処方しますが、中医学は「調子が悪い」という病気未満の状態から治療を始めることができます。

ちなみに、日本でいう「漢方」は、中国の中医学とは違います。漢方は、中医学を学んだ日本人が日本人の体質に合わせてアレンジしたもの。ですから、日本で売っているものと同じ名前だからといって、中国や香港で漢方薬を購入するのは注意が必要です。また、日本の漢方薬は中国のおよそ3分の1程度の量で処方されています。

普段、漢方薬を飲んでいる方は、薬膳を取り入れると漢方薬の効きが良くなります。
一方、体を温める漢方薬を飲んでいるのにサラダを食べるのは、当然ですが、漢方薬の効きが悪くなります。

■ 薬膳は身近な食材から!

たとえば、人参・長芋・大根は1年中手に入る食材です。

人参は、血を作り、肌を潤します。人参をよく食べていると肌のハリと潤いが保たれて美肌になれます
最近、赤い彩りに使われる野菜といえば、手軽なトマトですが、お肌のためにはトマトを人参に変えてみましょう。
ファンデーションのノリが変わってきます。
また、液晶ディスプレーによる目の疲れやドライアイにも人参がおすすめです。中医学では目は肝臓と密接な関係があります。肝臓を良くして、目の疲れを改善するのが人参です。さらに、肝臓はストレスの影響を受けやすく現代女性が特に弱いところ。肝臓のためにも人参がおすすめです。

長芋は、ぬるぬるネバネバのパワーフード。
胃や腸など消化器官や肺、腎臓の働きをアップさせてくれます。
ちなみに、消化器官と肺と腎臓の3つの働きが悪いとむくみます。


とろろでおなじみの長芋ですが、焼いたり炒めたり揚げたりしてもおいしくいただけます。
長芋は、体内の水の流れをスムースにして腸の働きも良くしてくれますので、免疫力Upにもおすすめです。さらに、アンチエイジング効果も期待できると言われています。

大根は、消化を助け、気の巡り(体のエネルギーの流れ)を促す作用があります。
気の巡りが悪い人は、自律神経のコントロールがうまくいかず、肩こりや腰の痛みにつながります。

ただし、冷え性の人は大根を生で食べるのは控えめに。大根は、冷やす効果・排出する効果が高いので、冷え性の方は加熱して、豚バラ、油揚げ、味噌、みりん、唐辛子、生姜など体を温める食材をプラスしましょう。

■ 便秘は体質を見極めて

便秘と一言で言っても、その原因は様々です。よく言われる、食物繊維を多めにとる、水分を十分に、バナナが効くなどの定説が自分に当てはまるとは限りませんし、場合によっては、かえって便秘を悪化させることにもなります。
まずは、便秘を引き起こす原因体質を見つけて、その原因体質を改善することによって、便秘が起こりにくい体質に整えることが大切です

たとえば、「冷え」からくる便秘の場合。腰回りや腸が冷えて腸のぜん動運動が低下して便秘になります。
このような場合は、体を温め、気(エネルギー)の流れを良くするクルミやサツマイモなどがおすすめです。
便秘といえば、食物繊維が豊富な根菜類やサツマイモを思い浮かべる方も多いと思いますが、ストレスが原因でおなかが張ったり、ガスが溜まったりする便秘にはおすすめできません。

「熱」からくる便秘もあります。この便秘は、普段から暑がりで顔が赤いタイプの人に見られます。
この場合は、バナナ、ヨーグルト、アロエ、ルバーブなど熱を冷ます食材を。

「乾燥」からくるコロコロ便秘には、松の実、ピーナッツ、アボカドなどで潤いを補いましょう。このタイプの方は肌も乾燥しているはずです。松の実は、中国では毎日食べると「仙人」になれると言われていて、内臓機能を調節する働きがあります。

そして、「ストレス」からくる便秘。西洋医学でいう自律神経の乱れからくるものです。現代人はこの便秘になりがちです。症状としては、ガスが溜まりやすい、便秘と下痢をくりかえすなど。
この場合は、先ほどもご紹介した気の巡りを良くする大根やセロリ、アロエなどがおすすめです。

便秘の原因は、ダイエットなどで全体の食べる量が少ない場合もありますので、米、麦、そばなどの穀類をある程度食べることも大切です。

■ お粥で手軽に薬膳を

自分の体質を改善するにはどんな食材がいいのか、また、なりたい自分になるための食材については、インターネットで簡単に調べられる時代になりました。そして、適切な食材がわかったら、あとは食べるだけですが、いざ料理となると急にハードルが高くなりますよね。
そこで、手軽に薬膳ができるお料理が「お粥」です。
お粥は、日本人が食べ慣れたお米が基本ですし、白いお米は、野菜・イモ類・ナッツ・魚介類・肉類・ドライフルーツまで、どんな食材と組み合わせても相性抜群。しかも、簡単に作れます。

美肌に効果絶大の‘人参のおかゆ’は、炊いたごはん・すりおろした人参・ダシを火にかけ、やわらかくなるまで煮て、最後に塩少々で味を整え、白ゴマをトッピングして、できあがり。だしは、かつお・にぼし・とりガラなどお好みで。
ストレスからくる便秘には、セロリのおかゆを。炊いたごはんと水、セロリのみじん切りを火にかけます。ごはんがやわらかくなったら塩少々でできあがり。セロリの葉の千切りをトッピングします。

セロリや玉ねぎ、トマト、まいたけなど食材そのものからダシが出る食材はダシではなく水で大丈夫です。また、魚介類や肉類を使う時も水でOK。

もっとコクがほしいという場合は、炊いていない状態の白米をごま油で炒めてからダシや水を加え、途中で具材を投入します。
ごま油で炒めてから作ると、お米が油でコーティングされるため、かき混ぜても煮立てても粘りが出ません。
コクと香りがプラスされておいしくなります。分量は白米2分の1カップに対し、水4カップ、ごま油小さじ2程度。煮る時間は15分程度です。
ナツメやクコの実、松の実、白キクラゲなど薬膳を代表する食材を使うお粥は、この方法で作ると薬膳らしさがアップします。

最後に、薬膳の食材選びは、季節に合った食材を選ぶことが基本です。夏の食材は体を冷やす働きが、冬の食材は体を温める働きがあります。これを基本に体質や症状を見極めて、旬の食材をおいしく健康的に食べる方法が薬膳といえるでしょう。
普段あまり使わない食材を買い揃えるよりも、まずは、季節の食材とその働きを見直して、薬膳を元気の味方にしてほしいと思います。

清水 千佳子

食育インストラクター/健康管理士一般指導員/FM Radio Program Director
日本成人病予防協会 専任講師 http://www.japa.org/?page_id=8057
正しい味覚を持つ子に育てる食育教室“テーブルルネサンス”代表講師

2005年、食育基本法の成立とともに食育の取材を開始。
ラジオ番組『服部幸雄の食育の時間』Japan FM Network(FM東京系列) 制作ディレクター
地元では杉並区食育推進ボランティアとして食育企画を立案・実施。
リマ・クッキングスクール(マクロビオティック料理)在籍。女児の母。




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