投稿日:2016/10/20

第12回 ブーケもカスタマイズを!
とにかく自分らしくこだわりたい花嫁さんのためのフルオーダーブーケ


皆さんこんにちは。フラワーデザイナーのYURIです。

「自分らしく、自分好みに」という時代の流れから“カスタマイズ”が注目されていますが、結婚式こそ2人らしさを存分に出したいところですよね。自分たちだけの雰囲気を作るため会場選びからはじまり、選曲、ドレスや会場装飾、ゲストに渡る引き出物、ゲストテーブルのアイテムひとつひとつ…、そして花嫁のブーケも「自分らしく」ありたいものです。
しかし、生のお花を使うブーケは、式当日にならないとお花の入荷状況やそのお花の状態、咲き具合が分かりません。当日はじめてお花をチェックして「大輪だけのブーケが良かったのに小花がたくさん使われていた」とか「思っていたよりブーケのサイズが小さすぎた」とか、イメージと違っていたという話を耳にしたことがあります。

生花のブーケは、お花の持つ生きるパワーが魅力です。瑞瑞しく良い香りがして私も大好きです。ブーケをオーダーする時は、好きなお花、形やイメージ、好みでないお花についても、写真や言葉でしっかりと伝えることが出来ていれば失敗することもないと思います。が、それはなかなか難しいですよね。
私はそういうお客様に、アーティフィシャルフラワーやプリザーブドフラワーを使ったブーケをオススメしています。これだと事前にブーケの仕上がりを確認して頂くことができるので安心です。

今回、ウェディングブーケのオーダーをくださったHさんは、ウェディングの様式をはじめ、ドレスや髪型、テーブル装花をどう可愛くゲストに持って帰ってもらうか、に至るまで思い描いたイメージとこだわりを持っている方でした。頭の中に理想とするウェディング像が明確にあり、それを実現させたい方です。その素敵な思いが強かった分、私もできるだけHさんのイメージ通り、いや、それ以上の仕上がりを目指して全力を注ぐことが出来ました。

このコラムでは、Hさんから最初にオーダーを伺ってから、理想のウェディングを共に実現化させるまでを、ブーケ作りの視点からお話させていただきますね。

●オーダー
はじめて連絡を頂いた時、「日本での結婚式と海外での写真撮影用のブーケとして兼用出来るように、アーティフィシャルフラワーを使ったブーケを考えている」と言っていたHさん。「華やかさとカジュアルな雰囲気を持ち合わせたクラッチブーケが希望です。挙式から持つ予定ですが特に白にはこだわっておらず、ピンク、紫系と緑を入れたいと考えています」と明確な希望が伝えられ、理想のブーケイメージとして写真を添付してくださいました。それは、海外のウェディングブーケの写真でした。とびきり可愛く、そして華やかな印象のブーケは、2色ピンクの芍薬が主役で、その間からピョンピョンと顔を出すスズランがカジュアルな印象を与えていました。形の決まったかっちりしたブーケではなく、ざっくりしたカジュアルな雰囲気がご希望のようです。

●初対面までに
最初の打ち合わせまでに、Hさんのお好みに合いそうなブーケの写真を私もいくつか探してみました。いただいた写真と似ている要素がありながらも、形や印象の違うブーケの写真を6点ほど選び、Hさんにお見せしようと思いました。
打ち合わせの際に、Hさんがどういうポイントを重視しているのか見極めるために、また、それ以上の理想形を引き出せたら、と考えたためです。

●打ち合わせ
はじめてお会いしたHさんは、送ってもらった写真のような可愛いブーケがまさにぴったりの可憐でラブリーな方でした。コーラルピンクのフレアスカートを履いていた彼女は、「ブーケもそうなんですけど、こういう綺麗な色が大好きなんです」とお話してくれました。
「可愛いよりも綺麗めな方が好き」ということ、挙式をするのは格式の高い帝国ホテルで、とはいえブライズメイドを導入するなど、流行も取り入れるということ。さらに、ドレスはプリンセスラインでウエストのリボンをカスタマイズし、ラベンダー色のサッシュベルトに替えること、などなど色々なお話をしました。

●お花の選定
後日、私はお花の選定に行きました。打ち合わせの際に聞いたHさんの使いたいお花は、芍薬とラナンキュラスです。色はピンク、紫、緑ですが、紫は薄いラベンダー色。その希望をもとに選んだお花をHさんにメールで送ってみたところ、色合いのイメージはバッチリだったようです。
送った画像をもとに、「さらに要望はありますか?」と聞いてみると、「いま選んでいるお花と相性が合うようだったらアネモネも入れてほしい」とのことでした。そこで色合いが合いそうな白〜薄紫のグラデーションのアネモネを追加してみました。

ちなみに、Hさんの理想のブーケ写真に入っていたスズランも一応ご用意しました(写真右側)。でもスズランについては、形にしていった時の良し悪しを見てから、使うかどうかを決めることになりました。

●ブーケを組んでいく
華やかさとカジュアルさを合わせもったクラッチブーケがご希望です。1本ずつ束ねていきます
雰囲気をHさんに見てもらおうと、お花を固定する前にざっくり束ねた感じを写真に撮って送りました。スズランは可憐で可愛らしい雰囲気が演出できますが、可愛いよりも綺麗な仕上がりがご希望だったHさんに、「スズランなしの方が綺麗にまとまるのではないでしょうか」とご提案し、使わないことになりました。
Hさんは「やっぱりアネモネが可愛いですね!配色は少し緑色を減らして、もう少し紫色が入ると理想的です」と言いました。その言葉をもとに本番のブーケ作りがスタートです。

ブーケが平面的にならないよう、高低差をつけながらお花を束ねていきます。全体的に大きめのボリューム感で、ウェディングドレスのウエストが隠れるくらいブーケの横幅があるものがご希望だったので、かなりの本数のお花を使いました。もう一つ、アーティフィシャルフラワーの良い点は、これだけボリュームがあるブーケでも重量がそんなにないところです。

束ねた感じがこちら


横幅のボリュームがポイントのクラッチブーケになりました。スズランを使わない代わりに葉っぱやお花のつぼみを飛びださせて立体感を出しています。短めのお花はワイヤーを使って長さを出しています。緑色の配分は減らし、ピンクとラベンダー色を前面に出しました。


●ブーケにリボンをつけて完成

Hさんはウェディングドレスのリボンもカスタマイズしてラベンダー色にするとのことだったので、ブーケのリボンにもラベンダー色を選びました。

また打ち合わせの際に、Hさんが「リボンは2本使いがオシャレで可愛いかも」とちらっと言っていたのを思い出し、2本使いにしました。2本目のリボンには、レースを選びました。品格のある帝国ホテルという舞台と、Hさんの上品さには、レースのリボンがふさわしいと思ったからです。合わせてみたら、予想通りしっくりきたのでこの組み合わせに決定しました。

●ブーケのお渡し
完成したブーケをお渡しすると、Hさんはブーケを手にし、とても感動してくれました。満面の笑で何度もブーケを回転させながら、眺めてくれたのがすごく可愛らしく、印象的でした。ブーケを持って全身を鏡に映し、当日をイメージしているようでした。

●その後
結婚式とバリでの写真撮影を終えたHさんが、とっても素敵な写真を送ってくださいました。幸せ溢れる1枚1枚を見て、打ち合わせの時に話してくださった理想の形がひとつずつ思い起こされ、「ホントに話していた通りに実現させたんだな」と感動しました。

幸せそうに微笑みあう、こんなにも素敵な新郎新婦のウェディングのお手伝いが出来たこと、また、Hさんが思い描く明確なイメージを一緒に実現できたことを本当に嬉しく思います。
やはり一生に一度のウェディングは、思いっきりこだわりを持って、わがままに自分らしくするのが素敵だなと、Hさんとのブーケ作りを通して改めて感じました。
その後もHさんからは連絡をいただき、その度に「何度見ても可愛いブーケですね」と言ってくださいます。Hさんはきっと、このブーケをインテリアとして飾り、大切なものとして常に眺めてくれるのでは?と思います。この幸せなブーケもきっと喜んでいることでしょう。
これからウェディングを迎える花嫁さんがいらっしゃいましたら、ぜひ「自分ならではのイメージを実現してほしい」と思います。私でよければお手伝いさせてくださいね。

●最後に
今回のウェディングブーケのは、女の子の特権のような可愛い色合わせですよね。
「ピンク色」は幸せの象徴でもあり、まさに幸せ溢れるHさんがピンク色のブーケをたずさえて入場されたとき、きっと会場は幸せ一色に包まれたことでしょう。

また「紫色」は赤と青が合わさって作られた、赤と青両方の性質を持ち合わせた色です。ラベンダー色、赤紫色、青紫色など幅広い色彩が紫と認識されています。今回Hさんがチョイスした「薄いラベンダー色」というのは、深い癒しの色であり、女性が取り入れるとエレガントで上品な雰囲気を演出できます。もともと紫色の染料が貴重だったことから、最古より高貴な色として扱われていた「紫」は、格式あるホテルや会場でのウェディングにもふさわしく、高貴で優雅な印象を与えてくれるでしょう。
自分らしいウェディングを実現させるために、表現したいイメージを「色の力」を借りて演出することも効果的ですね。

最後までお付き合いいただき、どうもありがとうございました。次回もどうぞお楽しみに。

YURI フラワーデザイナー

ウェディングフラワーや贈り物のアレンジメントのフラワーデザイン、店舗・レストランや個人邸宅内を飾るトータルフラワーコーディネートを行う。 「お客様と話し合う時間を多くとり、イメージの共有を大切にした上で作りあげる」のがYURIのフラワーデザインのコンセプト。
母の影響で幼少期より華道(草月流)を学ぶ。
薬剤師。アロマセラピーアドバイザー。フラワーライフセラピスト。
ErvaNote http://ervanote.com/




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