Vol.17 醤油にこだわってみませんか?

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投稿日:2014/08/18
どんなものを選んで・作って・食べればいいか、それが「大人の食育」。
口に入れてゴックンする前に、体に良い食べ方を知って 体の中からキレイになりましょう!

夏から秋にかけては、しょっぱいものがおいしい季節。
女性は、塩味を好む方が多いと思いますが、キリッと醤油をきかせたお料理もまた格別です。
冷やっこには、スッキリしょっぱいお醤油を!
ナスの煮浸しには、まろやかな奥行きのあるお醤油を!
普段は1本あれば何にでも使えるお醤油ですが、使い分けてみると、おいしさがグーンと広がります。

■ 醤油は世界のシーズニング

醤油は、和食に欠かせない調味料です。
2013年12月、ユネスコの世界無形文化遺産に 和食が登録されましたが、現在、世界100カ国以上で醤油が販売され、使われています。

醤油の世界進出を始めたのはキッコーマン。欧米で醤油といえば“Kikkoman”。これで通用します。

アメリカでは、醤油が焼いたお肉によく合うことから広まっていきました。現在は、アメリカ現地で生産されています。また、テリヤキソースの存在も忘れてはならないもの。ハンバーガーなどにテリヤキ味が登場し、広く庶民の味としておなじみになりました。

ヨーロッパでの始まりは、オランダから。現在、オランダに生産工場がありますが、他のヨーロッパの国々は、麹菌に対する危機管理体制が厳しいため、現地生産は進んでいません。
しかし、今や醤油は世界のシーズニング。海外では、東洋のエキゾチックな調味料として注目を集め、フレンチやイタリアンのシェフが醤油を隠し味に使うこともあります。

ただし、醤油の元の大豆は、アジアで育ちやすく、ヨーロッパでは育ちにくいもの。ですから、やはり、醤油文化はアジアが中心といえるでしょう。アジア独特の温暖で湿り気のある気候から生まれた発酵食品が醤油なのです。

日本へはその昔、中国から伝わりました。そして、「醤油」という言葉が生まれたのが、室町時代。
江戸時代には、本格的に生産が始まりました。「江戸前」といえば、醤油味ですが、これは江戸に都が移り、千葉の野田や銚子など関東で醤油造りが盛んになったことから、それまでの京都の味とは一線を引くものとなりました。この時、「江戸前」の‘にぎり寿司’も生まれています。

醤油が広く一般に使われるようになったのは、第一次大戦後。国民の所得が上がり、‘普段使い’ができるようになりました。それまでは、ぜいたく品だったのです。

■ どんな醤油がお好みですか?

醤油の原料は、「大豆と小麦と塩」。基本的にこの3つ。
大豆と小麦に麹菌を混ぜ込み、塩水を加え、かき混ぜながら熟成させます。
それを絞って、火を入れて、できあがり。シンプルな作り方ではありますが、味は作り手の業によるところが大きいといわれています。

また、使われる大豆の状態によっても味が違います。
多くの醤油は、脱脂加工大豆が使われています。脱脂加工大豆は、大豆の油を絞った残りカス。こう言うと聞こえが悪いのですが、醤油造りに油分は必要ないもの、じゃまなものです。ですから、予め油を絞った残りのタンパク質の部分を醤油として利用するわけで、実はとてもエコな原料が脱脂加工大豆といえるでしょう。

その一方で、大豆を丸ごと使ったものが、丸大豆醤油です。最終的には、浮いてきた油を取り除いて醤油にします。丸大豆を使うと、もろみ(絞る前の状態)に油で蓋ができてうまみが逃げないとか、甘みが増す、まろやかな味になるといわれています。生産量は、脱脂加工大豆のものが8割、丸大豆のものが2割。

どちらを選ぶかは、お好みで!

脱脂加工大豆のものは、クリアですっきりとしたキレのある味。
暑い時期、冷たい冷やっこにはスッキリしょっぱいお醤を!豆腐の甘みが引き立ちます。

丸大豆醤油は、風味があってまろやか。
伏見とうがらしの煮浸しは、さっぱり味もいいですが、コクを出した少し甘めの味付けに丸大豆醤油を!

両方混ざっている醤油もあります。

この他、小麦によって、塩によって、醸造によって、色や香り、味が違ういろいろな醤油ができます。
醤油の種類としては、「濃口醤油」「薄口醤油」「溜まり醤油」「再仕込み醤油」「白醤油」の5つ。

「濃口醤油」は、全国の消費量のおよそ84%を占めています。言わずと知れた万能調味料。

「薄口醤油」は、関西生まれ。消費量は12%ほど。薄口醤油は、製造行程で濃口醤油より食塩水を多く加えたり、低温で仕込んだりして、色を薄くしたものです。食材の持ち味を活かせるよう、色や香りが薄くなっています。しかし、塩分は濃口醤油より1割高くなります。

酢の物はスッキリした薄口しょうゆで!
食材の色も活かせ、見た目も涼しげに仕上がります。

「溜まり醤油」は、主に中部地方で作れています。
とろみと甘みがあり、独特な香りもします。お刺身など卓上で使われることが多いですが、お料理に使うと濃口醤油よりも赤みが増して華やかな印象に仕上がります。

「再仕込み醤油」は、山口県を中心に山陰から九州地方にかけての特産で、別名「甘露醤油」ともいわれています。普通は塩水で仕込みますが、塩水の代わりに醤油で仕込んだものです。
こってりした黒色で、熟成した香り、樽の香りが付いたものもあり、主に卓上でつけたりかけたりして使います。値段も高めです。

左から、再仕込み醤油 濃口醤油、白醤油。
色の違いは一目瞭然。

「白醤油」は、愛知県の三河地方の特産で、最も色がうすい醤油です。普通の醤油よりも小麦を多く使っています。低温で熟成させるので色が薄くなります。「白だし」は、この白醤油で作られます。
海外では、白醤油をベシャメルソースに忍ばせるシェフも。塩味とアミノ酸の味のバランスが良いコクのある味になります。

いろいろな種類をブレンドするという方法もあります。

そして、醤油は味もさることながら、香りが命。醤油の香りの成分は300種類以上あります。
ただし、火を入れて煮込むと香りが飛んでしまいますので、香りを効かすには、仕上げに少しプラスしましょう。

■ 醤油にも健康効果がある

何にでも醤油をかけるというのは、高血圧の元ですが、醤油にも健康効果があるんです!
まず、「胃液の分泌を良くし食欲を増進」。
醤油を使って、煮たり焼いたりする時の、あの香り。香ばしさが食欲をアップさせます。
また、「大腸菌の増殖を抑えたり、死滅させる効果」もあります。
醤油漬けや佃煮は、この効果を利用したものです。

醤油の使い方は、お好きなように!でも、原則を知っておくと、もっとおいしく使えます。
それは、発酵食品との相性がバツグンだということ。
味噌やみりん、お酒などとの相性はもちろん、ダシとの相性が特に良し!
醤油の中のグルタミン酸とダシのカツオ節のイノシン酸が、相乗効果で深いうま味を生み出します。

ダシに醤油、お酒、みりんときたら、スバリ!和食です。
和食は、このように発酵食品の持つ、やさしいうま味を調和して作られる料理です。
ストレートな味の洋食とは違い、小さなうま味が重なって複雑な味わいとなっていますので、海外の人からは味の特定が難しく、不思議なおいしさなるわけです。
その立役者が醤油。醤油を使う時は、他の発酵食品と組み合わせましょう。チーズやバルサミコ酢と醤油が合うのも、そんな理由からです。

まずは、テーブルに置く醤油にこだわってみませんか?
産地や種類、生産者など、日本各地に様々な醤油がありますので、ぜひお気に入りを探してみて下さい。

清水 千佳子

食育インストラクター/健康管理士一般指導員/FM Radio Program Director
日本成人病予防協会 専任講師 http://www.japa.org/?page_id=8057
正しい味覚を持つ子に育てる食育教室“テーブルルネサンス”代表講師

2005年、食育基本法の成立とともに食育の取材を開始。
ラジオ番組『服部幸雄の食育の時間』Japan FM Network(FM東京系列) 制作ディレクター
地元では杉並区食育推進ボランティアとして食育企画を立案・実施。
リマ・クッキングスクール(マクロビオティック料理)在籍。女児の母。




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