投稿日:2019/02/20

マーケティングジャーナリスト 宝 トシ子

サイトでも告知していた「すぎなみ臨床美術展」、開催中、行って参りました。杉並区役所の2階区民ギャラリーで開催。真冬の開催にも関わらず、たくさんの方がお見えになり、ワークショップにも参加されていました。

先ず、ギャラリーに行くと明るい陽射しの中、たくさんの素敵な作品が出迎えてくれます。魚や野菜の絵、抽象画、オブジェなど、秀逸な作品に衝撃を受けると共に深い感銘を抱きます。聞けば、半分以上が80歳代、90歳代の方の作品。「えっ~、嘘でしょう?」という感想。だって、心躍る、素敵な作品ばかりなんですもの。 思わず、うっとり~。。見惚れてしまいました。

偶然会った友人と一緒にワークショップに参加。「私達にできるのかしら?」とおそるおそる、席に着き、言われるままに、線や点をつけ、色鉛筆で塗っていくと、「あらまあ、不思議!」たった15分程で、素敵なアート作品ができあがるではありませんか?

壁に飾り、臨床美術士の方と一緒に鑑賞しました。たくさん褒めて頂き、嬉しい限り。この年になると褒められることって、めったにないですからね。自分の気持ちが素直に出ていたり、こんな面も持っているんだと新たな発見をしたり、本当に楽しく、リラックした時間を持つ事ができました。しかも、持って帰っていいなんて、こんな嬉しい事はありません。その日は家に飾り、一人ニヤニヤ。(絶対、人に見られたくありませんが、たまには、そんなシーンもあって、いいよなと妙に素直になった日なのでした)

展示コーナー: 参加者の作品がたくさん展示されています。
こんな素敵な仕事に関われるなんて、羨ましいと思い、臨床美術士さんに、ちょっとお話しを伺いました。

Q.この仕事を始めたきっかけは?
A.大阪の池田小学校の事件がきっかけです。子供達が心に深い傷を負いました。海外では、そんな子供達の心のケアとしてアートセラピーなどがあるのですが、日本にはなかったのです。しばらくして、臨床美術の講座があることを知り、資格を取りました。あれから、10年。病院や行政、保育園や高齢者施設などで実施しています。

Q.この仕事をして、よかった事は?
A.参加した人の表情が変わること。すごく楽しんでくれる事です。それを見ると自分も楽しくなり、やっていてよかったと思えます。まだまだ、知名度が低いのでもっと広がって欲しいと思います。

Q.臨床美術に参加するとどんな効果が得られますか?
A.脳を活性化させ高齢者の介護予防、認知症の予防や症状の改善、また働く人のストレス緩和、子供の感性教育などに効果が期待できます。作品をつくることに集中して無になる事が、ストレス緩和に繋がり、その結果前向きな気持ちやいきいきとした表情が得られます。また、自分の作品ができる事で達成感を感じることができます。

Q.臨床美術の優れているところは?
A.手軽に始められること。絵のスキルがなくても、作品をつくれるプログラムになっているのです。プログラムは、様々な画材を使って、抽象、具象、立体と、数多くあります。だから、飽きることなく、長く続けられ、毎回の参加を楽しみにされる方も多いんですよ。そして、作品ができると必ず鑑賞会を行います。これが、またいいのです。

人間って、褒められると嬉しいし、褒め合うことで感情が豊かになり、言葉も多く生まれます。何より自信を取り戻すことができるので、生きる意欲が沸くんです。人と人との交流にも繋がり、場がとても盛り上がります。人の絆も生まれるんですね。主催側も受ける側もハッピー。ユニークで生き甲斐のある活動です。

編集後記:
2020年のオリンピックに向けて、国や区などの行政も文化交流に力を入れ始めているとの事。日本はますます高齢化社会に向かっています。寿命が延びても、自立して普通に生きることを多くの人が望んでいます。そんな思いに背中を押してくれて、みんながハッピーになる素敵な活動。活動が広まり、たくさんの人が参加し、自信を取り戻せればいいなと思いました。

もっと詳しく知りたい人は、日本臨床美術協会のホームページをご覧下さいね。
http//www.arttherapy.gr.jp

体験コーナー: 道具はこれだけ。誰もが夢中。無になって、本当に楽しいのです。
筆者と友人の作品: 同じ手法でもこれだけ違う作品ができます。壁に飾るとまた違った趣に。

●臨床美術とは
絵やオブジェなどの作品を楽しみながら作る事によって脳を活性化させ、高齢者の介護予防や認知症予防・症状改善、働く人のストレス緩和、子どもの感性教育などに効果が期待できる芸術療法(アートセラピー)の一つです。1996年に医師・美術・ファミリーケアアドバイザーがスタート。医師・美術・福祉の壁を越えたアプローチが特徴の臨床美術は、介護予防事業、発達が気になる子どものケア、学校の授業など多方面で取り入れられ、いきいきと人生を送りたいと願う全ての人へ希望をもたらしています。

●一般的なアートセラピーと臨床美術の違い
一般的に「アートセラピー」とは、描かれた絵などから心理状態を分析する、コミュニケーションを行うなど心理療法のアートセラピーを思い浮かべる方が多いようですが、これらは心理学的アプローチといえます。臨床美術は、医師らとチームを組んだ美術家からのアプローチであることが大きな特徴です。創作活動そのものを楽しんでいただき、創作する喜びを味わっていただきながら、脳を活性化していくことを大切にしています。

芸術造形研究所 http://www.zoukei.co.jp/




1 Comment

国井 圭祐

2019年2月21日 at 4:33 pm

普段デイサービスにて、臨床美術に参加されているご利用者様の様子を拝見していますが、臨床美術プログラムこそが認知症予防だけでなく、間違いなく生き甲斐に繋がっている事を実感させられています。
制作中の自分の作品に没頭される姿。制作後の他者とお互いの作品について褒め合う姿。達成感を感じられている表情。自分の作品が展示されている喜び。そしてそれを自宅へ持ち帰る事の出来る嬉しさ。これら全てを含めて臨床美術であると思います。
又、テーマ選定や必要物品等に毎回驚かされます。この驚きがあるからこそ、「次回はどんな作品だろう⁇」と楽しみを持ちながら継続して取組む事が出来るのだと思います。
職員としても次回の作品を楽しみにいつも拝見しています。

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