投稿日:2019/06/21

ブラジル発「駐妻」に転職しました!
〜 ワーキングウーマン の ポジティブ ラテンライフ 〜

 
ずっと働き続けていた私ですが、ブラジルに来てからは「駐妻と言う仕事に転職した」と言う意識で暮らしています。そもそも、夫の内示が出た時「帯同してもブラジルでは働けないよ」と言われました。要するに帯同ビザ申請条件として、扶養家族である事が必要で、妻に与えられるのは就労不可のビザ。仮に妻が自分でビザを取得した場合は、待遇が変わってくる事を意味しているのだと理解しました。それに会社としては配偶者の現地就労は、好ましくないと言うようなニュアンスを夫の言葉から受け取りました。だから私も心を決め渡伯するには時間がかかったわけです。

実は以前に、駐妻でありながら海外で働いた事があります。前夫の転勤の際「帯同を希望するが、現地で働く事も希望」と事前に申し出ました。結婚しても正社員で働いていたので、当たり前と考えていましたが、今にして思うと図々しいと言うか、大胆というか。しかし、どういうわけか会社も「求職に際して現法も出来るだけサポートする」と言い、私は現地採用の枠で日系旅行会社に就職し、充実した日々を過ごしました。

赴任した香港は、当時失業率も低く、税金さえしっかりと払っていれば帯同ビザでも就労可能です、というスタンスでしたから、少し英語が出来れば日本人の働き口はそれなりにありました。

でも、本当に働く駐妻は殆どいなかったので「地下鉄通勤なんて、刺されますよ」とおっしゃる方や、妻達の集いにも「お忙しいからお誘いしないわね」と言われ、私は徐々に駐妻ネットワークから外れていき、同時に現地スタッフや仕事で知り合った方達との交流が盛んになりました。

話はそれますが、私の仕事観は香港時代の経験が大きく影響している気がします。ビジネスマンのお客様や働く女性の先輩から頂いたアドバイスや、香港女性の働き方にも触発されました。香港には殆ど専業主婦いなく、結婚しても子供がいても共働きです。そのせいか女性もプロ意識が高い!また、それを支える世の中の仕組みが出来ています。家事や子供の世話は、会社をリタイアした祖父母がします。しかも、報酬を貰って行うのです。祖父母も役割を持っているせいか、心身ともに健康で、香港は今や長寿国です。ちなみに、祖父母のいない家庭は、外国人のメイドさんを雇います。

そんな女性が働く環境の整った香港で、私もよく働きました。が、問題発生!離婚のため帯同ビザのステイタスを失いました。香港に残って働く事を選んだので、スポンサーを見つけなくてはなりません。色々転職活動もし、結局それまで働いていた会社が、私の就労ビザ取得と家賃負担をしてくれることになりました。どん底で救われました。就業実績があったとは言え、単独ビザを取るには弁護士を立てたり、煩雑な事務手続きがあったり、インタビューを受けたりと、決して簡単なことではありませんでした。

そんな経験をしたので、ブラジルの経済状や治安、英語ではない言葉の問題などを考えて、今回は現地では働けないなぁ〜と覚悟しました。仕事を辞めてブラジルへ行って、本当に何をしたらいいんだろう、そんな生活に耐えられるのかな、と何度も考え、充電期間、ここならではの特別な事をすると、自分なりに納得したものの、きっと私を知る人達は心配したのではないかと察します。

渡伯してからは、やる事見つけなくちゃ、それでも働く方法はないものか、といつも考えるようになりました。幸い、専門性を活かせるやり甲斐のあるボランティアを2つ見つけました。ブラジル人に日本語を教える機会にも恵まれました。が、いずれも対価がないことで「仕事」とは違うという気分は拭えないのです。

ボランティアコミュニティの一つは、私と同じように「働きたい駐妻」がたくさんいて、ブラジルJETROの弁護士から、移民法と就労ビザのレクチャーを受ける機会がありました。ブラジルのビザは厳しくて、駐在員本人は会社がスポンサーとなっても、役職によっては最初は1、2年しか承認されません。帯同ビザの場合スポンサーは夫なので、ブラジル国内で妻が働くには、やはり改めてスポンサーとなる企業を見つけて就労ビザへの切り替えをしなければなりません。しかも、その判断基準や手続き方法はコロコロ変わるので、その都度対応しなければならない、と言います。

数年の駐在期間に、この高いハードルを越えてまで就きたい仕事に巡り会えるでしょうか?そう考えると、ブラジル国内で働く事は諦めざるを得ないのですが、それでも妻達は何とか働きたくて、最近リモートワークの仕事をしている人が増えました。世界中どこでもオンラインで出来るリモートワークは魅力ですが、殆どの人がが扶養範囲内なので大金を得ているわけではありません。それでも、どうしてそこまで「働く」ことにこだわるんだろう?自分も含めて考えてみました。

海外にいるとビザ一つにしても、夫の傘下にいる事から、自分が自分の足で立っていないような気持ちになります。経済的自立をしていないことも歯がゆいのですが、何をするにも制限が多くて、不自由さを感じるのです。その事で、自信を失くしたり、喪失感が押し寄せます。これは駐妻に限らず、国際結婚で海外へ渡った方もビザ問題のストレスや、生活そのものの変化から、同じように苦しまれていることを聞きます。当たり前のことが当たり前に出来ず、自分らしくいられないからですね。自分は変わってないのに、ひどく劣った気持ちになり、働く事=なんらかの評価を得る事で自信を回復したくなるのではないでしょうか?

でも、この不自由さと背中合わせに、駐妻達は守られていることも事実です。海外で安全確保するためには、会社から様々なサポートを受けています。帯同家族とはそういうものだと納得せざるを得ない一面もあります。

香港で、自分のビザを手にして働いていた頃「自己責任」を常に意識していました。最後は自分以外頼れない。それが帯同家族の立場とは違うことを私は思い知っていました。

とは言え、単に生活に困らないだけの手当てを出しているのだから、妻は働かなくてもいい、というなら乱暴な気がします。お金の問題ではなく、生き方、スタンス、自己実現の問題だからです。共働きが当たり前の時代となり、ならば配偶者のキャリアについても配慮すべき時が来ているのでしょう。現在殆どの会社が、まだ海外に帯同する妻は無職という設定の上で規則が決められているようです。妻達が自分の意志で働くかどうか選べる世の中にしたいと願い、ならばキャリアカウンセラーの端くれとして自分は何が出来るのかと思いを巡らせています。

それにモヤモヤしていても勿体無い!せっかくの海外生活、ここでしか経験出来ないことをするのが一番!国を知り、人を知り、文化に触れることは、お金では買えない次に繋がるライフキャリアに必ずなるはずです。(実際、香港経験は財産です。)

それでも、令和元年、日本の皆さんを対象に、オンラインカウンセリングなんてどうかな?と思って私は一歩踏み出しました。試行錯誤中です。


●「私のキャリア、どうなっていくのかなぁー」とでも考えているのかな?バイーア州で人気の民芸品です。
●本物の日本食店の無いカンピーナスの駐在員一番人気のジャバポップのカツ丼。ある人は「涙が出るほど美味しかった」と言うけど〜かなりしょっぱい。

●普通の公園にこんなオブジェ。日本なら置かない強烈なセンス。
●ブラジルならでは、鮮やかなビーツのジュース。

セニョーラ・プリマベーラ

キャリアコンサルタント、ファイナンシャルプランナー。

夫の海外転勤をきっかけに、20数年間勤めた金融関係の企業を辞め、フリーランスになる。その後、地球の裏側ブラジルで人生初の専業主婦となる。知り合いもいなく、仕事をしない生活、収入のない自分の帰国後のキャリアも心配だけど〜〜今いる環境の中で、いかに心身ともにキレイに生きていくかを模索中。

女性も職業を持つのが当たり前の現代では、夫の転勤とは言え、様々な問題が立ちはだかります。私と同じように自分のキャリアとの狭間で悩んでいる人、これからその可能性のある人、、たくさんいらっしゃるはず。

キャリア=仕事だけでなく、ライフキャリア=人生そのものについて、一緒に考えてみませんか?

筆者:世界遺産イグアスの滝をバックに
滝のように人生は?レインコートは、イグアス国立公園のマスコット動物、アナグマ現地のオリジナル




この記事へ 4 件のコメント

Mia Friday

2019年6月22日 at 12:12 pm

オンラインカウンセリング!!!
素晴らしいですね!!!
セニョーラは海外での就労経験もありますし、キャリア・コンサルタントとしても超一流なので、相談したい人はたくさんいると思います。

WASSY

2019年6月23日 at 12:42 pm

海外駐在の妻という響きには憧れがあるのに。。それでも働きたい?!
彼女の思うことは、未来の私も思うのか?自分自身と重ねるにはおこがましいが、彼女の葛藤には共感を覚えます!
頑張れ、セニョール、プリマベーラ。
私たちはいつも応援してますよ!

Hawaii好き

2019年6月23日 at 4:14 pm

香港でつかんだように、ブラジル~帰国何かをきっとつかんでください。
それは必ずしも、看板がついたものでなくてもいいような、
ブラジルでは、少し休んでもいいような気もします。
例えばこのブログだけでも。
香港の時と今と、(ビザの関連はあるにしても)帯同制度はあまり変わっていないのですね。
うん十年たっているのに。
ところで、世の中には駐「夫」の方もいらっしゃると思うのですが、お話を聞きたいものです。

ola

2019年6月24日 at 12:37 am

商社マンの妻だった義姉も正に駐妻。同じモヤモヤを抱えていたと思いますが、諦めていましたね。
将来的にはきっと変わっていくと思いますが、嘆くだけでなく出来るところから着手する姿勢は流石ですね!

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