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Vol.48 あうんの限界

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投稿日:2012/01/24

心の中からキレイになる! 
仕事の中の悩みを小さくして、キレイになるためのヒントをお届けします!

 
 
みなさん、こんにちは。キャリア・カウンセラーの錦戸かおりです。
毎日寒い日が続いていますね。寒がりな私は、毎日たくさん着込んで、なんとかしのいでいます・・・。
 
さて、今日はまた、コミュニケーションのお話です。
先日1月18日の日経新聞の夕刊に「あうんの文化 もう限界」という記事がありました。
ちょっとご紹介しますね。
 
 

■ 外国人留学生の採用が広がりと、現場の問題

 
 
近年、日本企業が日本語ができる若い外国人を採用するケースが増えています。なぜかというと、グローバル化に対応するために、彼らのコミュニケーション能力が必要だからです。
 
でも、実際に採用された現場では、いろいろと問題も起きているとのこと。
たとえば、上司からの指示が曖昧で、意図が伝わらなかったり、キャリアプランが見えにくかったり。
錦戸かおり
 
記事では、こんなケースが紹介されています。
日本に留学後、日系メーカーに採用された26歳欧州出身の男性は、3か月の工場研修の目的や、仕事の目的、意味を上司に尋ねるが、そのつど「自分で考えろ」「とにかくやれ」と言われてしまう。
また、20代後半の韓国人Bさんは、40歳で海外統括責任者になることを目指しているので、早く海外要員として経験を積みたいと主張しているが、全く違う部署で「修行を積んでいる」現状に納得できない。
 
 
このような不満を抱えながら、すぐ辞めてしまう人もいるし、続けている人もいるとのこと。続けられるのは「異分子」として存在を認められているからと書かれています。
 
 
これらの例を読んで、どう思いますか? 多くの方は「ま、日本企業はそんなもんだよ」と思われるのではないでしょうか。でも中には外国人でなくても、同様のことを感じる人もいるでしょう。
 
 

■ 日本人の社会でも

 
 
この記事では、外国人が日本社会で働くことで起こる異文化コミュニケーションの問題を取り上げていますが、これって日本人でも感じている人は増えているのでは? と私は思いました。
 
あうんの文化いうのは、相手を察するという、とても暖かい思いやりの文化が背景にあると思います。
でも、どんなに思いやりを持って、相手のことを考えようと思っても、わかり得ない状況が増えているように思うのです。以前も書きましたが、同じ会社の中でも正社員の他、様々な雇用形態の人がいます。
錦戸かおり
 
家族の介護をしている人もいます。ご自分が病気や障害を抱えている人もいます。子育て中の人もいます。不妊治療中の人もいます。まさに「多様化」の時代です。この「多様化」を考えたとき、どんなに思いやりをもってしても、想像できないことは多々あるのではないでしょうか。
 
であれば、直接言葉で訊いてみたり、本人が「こうしてほしい」と声を上げる以外ないのです。
希望を言われた人は、慣例だから、とか言わないで、一度は真摯に向き合ってほしいと思います。
それをすることで、もしかしたら時代の変化の中で既に意味がなくなっている業務を今も続けていることに気付くかもしれません。長く同じ職場にいると、一つ一つの業務の意味なんて、なかなか考える機会がなくなりますよね。でも、新しく入ってきた人であれば、シンプルに疑問を持ってくれるでしょう。
それを無駄にしてはもったいない!
 
ちなみに先ほどのケースに、「自分で考えろ」と言われるというものがありましたが、自分で考えることを指導するのはまっとうなことです。ただ、この場合の部下は自分が放っておかれている、と感じていることが想像できます。
 
もしそうではなく、教育として考えることを望むのであれば、「自分で考えろ」と言う理由を説明すればよいのです。
それをすることで、部下は放っておかれているのではなく、考えることの意味を理解し、上司との信頼関係も築くことができるでしょう。
 
 
 
正直言うと、私自身は「あうん」の世界が大好きです。優しさを感じます。ほっとするような温かさを感じます。
でも、残念ながらこの数年、どう頑張っても「察すること」の限界を感じることが多々あります。
 
察することをしなくて良いと言っているのではありません。察する努力をしつつも、どんなに頑張っても限界があることを自覚して、あえて言葉にしてみる(訊く方も、応える方も)努力を惜しんではいけないということです。
錦戸かおり
 
 
こうやって偉そうに書いていますが、とはいっても難しいよなぁ、と自分でも思います。
でも、様々な価値観を持った人が共に生活する社会の中では、おろそかにしてはいけないことだと思うのです。
 
ストレートに訊かれると答えられなくて、イテテテテ! と思うこともたくさんあります。でも、そんなときこそ自分でも考えてみることが必要なのでしょう。「ごめん! 私もわからないから、一緒に考えよう!」ということもアリかと…。
 
 
*がんばれ工房では1月、2月にかけていくつか小さな講座を行います。
よかったらぜひご参加くださいね!

http://www13.ocn.ne.jp/~tenshoku/
 
 
錦戸かおり 旅行が大好きなやんちゃ坊主、がんのすけくん! 
Photo By 「 YH 」

錦戸かおり

個人のキャリア開発支援を行う「がんばれ工房」主宰。キャリア・カウンセラー、産業カウンセラー。女性と仕事の未来館にて、キャリア部門の特別相談員。毎日コミュニケーションの転職サイト「マイナビ転職」にてコメントの執筆なども担当している。一人一人のクライアントと長いお付き合いをすることで、キャリアのホームドクターとして活動している。
2009年10月『働く女性が35歳の壁を乗り越えるためのヒント』を発売(河出書房)
がんばれ工房 http://gambarekoubou.com/




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