「きれい生活研究所」サイト終了のお知らせ

「きれい生活研究所」は2020年10月31日で終了する事になりました。 長い間、ご愛顧いただき有難うございました。


Vol.50 語られない気持ち(長期離職者の胸の内)

Home > カルチャー > kirei ワーク > Vol.50 語られない気持ち(長期離職者の胸の内)
投稿日:2012/03/06

心の中からキレイになる! 
仕事の中の悩みを小さくして、キレイになるためのヒントをお届けします!

 
 
みなさん、こんにちは! 
キャリア・カウンセラーの錦戸かおりです。
 
このコラム、隔週でお届けしているのですが、前回は一回お休みをいただいてしまいました。
ごめんなさい! お休みしている間に、急に春めいてきたような・・・
 
 
では、今回のコラムも、よろしくお願いいたします!
 
 

■ なかなか語られない気持ち

このところ、ニュースで消費税の引き上げについての話題に伴って、生活保護、失業手当など福祉関係の給付金について、耳にすることが増えました。
 
多くのコメンテーターや解説者は、生活保護の手当てをもらった方が、働くよりも経済的に余裕があるから、働かなくなって当たり前だ、生活保護を手厚くするのは間違いだ、と言います。
 
それは本当でしょうか?
生活保護を受けてしまうと、働く意欲はなくなってしまうのでしょうか?
kireiワーク
 
私は実際に生活保護を受けている人のお話を聞いたことがないのでわかりません。
そういう人もいるかもしれませんが、そうでない人も多いのではないかと思います。
 
彼らの考えていることや気持ちは、発信されることはほとんどありません。
以前、ドキュメンタリー番組で言葉少なに語ってくれているのを聞いたことがありますが、「語ってよい立場ではない」と思っている人が多いようです。同じ立場の人でも、ほとんど交流はないとのことでした。「訊いても悪いし、訊かれても困るし・・・」と。
 
 
 
 
立場は違いますが、長期離職している人たちも、苦しい胸の内を語ってくれることはあまりありません。でも、だからこそ、周りの人たちは彼らの気持ちがなかなか分からず、わかってあげられないことに苦悩したり、傷つくような一言をかけてしまったりします。
その一言に、悪気がないことは彼らも十分に分かっています。
 
 
今日はほんの少しですが、彼らがなかなか外に出せない気持ちをご紹介したいと思います。
私はカウンセラーという立場なので、彼らの生の気持ちに触れさせてもらう機会があります。
とはいっても、本当はもっともっと深い悲しみや、悔しさ、焦り・・・いろんな感情があるでしょう。どれだけ私が汲み取っているか、甚だ自信ありませんが、少しでもお伝えできればと思います。
 
 

■ 彼らの胸の内・・・

 
 
私のクライアントさんたちは、おっしゃいます。
 
「友達が気を遣って飲みに誘ってくれます。でも、会えば今どんな状況かを聞かれるし、聞かれなくても、話さなくちゃいけないような気がするから断ろうと思います。どんな言い訳をしたらいいのか、それを考えるのが大変です。」
 
「友達から『決まった?』と電話やメールで訊かれるのが一番痛い。メールや電話が怖い。」
 
「親がすごく心配しているのがわかるから、明るくしていなくちゃいけないのがつらいです。」
kireiワーク
 
逆に・・・
「親から『若いのだから仕事はいくらでもあるはずだ。もっと一生懸命探せ!』と言われます。
家にもいられなくて、昼間は図書館に行っているのですが、同じような人が多いのか、図書館にも落ち着いて考えられる場所がなくて・・・」
 
 
これらはほんの一部です。
こんなことをお伝えしましたが、だからと言って彼らを放っておいてあげてほしい、と言っているのではありません。「忘れられた存在」になることは、もっとつらいことです。
なので、いろんな気持を持っている可能性があるのだ、ということを知っていていただきたいのです。
 
ヘトヘトまで頑張った末に離職した彼らは、ガソリンがなくなった車のように見えるときがあります。
それでもがんばらなくては、とエンジンをふかそうとして、疲れ切ってしまう。
エネルギーのチャージは、個人差があり、時間がかかる人もいます。それを見守ってあげる人が周りにいると、比較的早く復帰できているように思えます。
 
 
彼らの多くはおっしゃいます。
「仕事を失ってみて初めて、仕事という役割を持つことで、自分の存在の意味に気付いた」と。
仕事を通じて仲間ができたり、仕事を通じて世界が広がったり、仕事を通じて自分の成長を感じられたり・・・。
そして、早く仕事に復帰したいとおっしゃいます。
 
 

■ 求人はたくさんあるのに、という意見。でもね・・・

 
 
求人はたくさんあるじゃないか、と言う政治家もいます。確かにあります。求人の数だけを見れば。
 
でも、たとえばの例ですが、誰にでもできる仕事に、働き盛りのAさんが採用されるかというと、現実的には結構難しいのです。なぜかというと、給与の問題もあります。それ以外に採用する側からすると、Aさんははたして長く勤めてくれるだろうか? やる気を持って仕事をしてくれるだろうか? という不安が残るからです。
kireiワーク
 
採用する側にだって、事情はあるのです。短い期間で辞められては採用の手間や経費が掛かります。
簡単だったり、給与が安いことでやる気を失われれしまっては、他の人たちの士気を下げ、ぎすぎす職場が生まれます。
 
何か良い方法はないものか? 残念ながら、私にはわかりません。
 
 
最後に、先日長期離職中のクライアントさんが下さったメールをご紹介します。
「今日は、前の会社の同僚が食事に誘ってくれたので、行ってみようと思います。ドキドキです。
嫌な気持ちになるかもしれませんが、このままこもっているより、良いような気がしてきました。
さんざん悩みましたが、一歩前進。小さい一歩ですけれど・・・」
 
小さい一歩かもしれないけれど、大きな勇気が必要だったことでしょう。
勇気というエネルギーが少しずつチャージできてきた彼女。やってみよう! と思える仕事に
めぐり会う日も、そう遠くないような予感がしています。
 
 
*がんばれ工房では3月、4月にかけていくつか小さな講座を行います。
よかったらぜひご参加くださいね!

http://www13.ocn.ne.jp/~tenshoku/
 
 
錦戸かおり 旅行が大好きなやんちゃ坊主、がんのすけくん! 
Photo By 「 YH 」

錦戸かおり

個人のキャリア開発支援を行う「がんばれ工房」主宰。キャリア・カウンセラー、産業カウンセラー。女性と仕事の未来館にて、キャリア部門の特別相談員。毎日コミュニケーションの転職サイト「マイナビ転職」にてコメントの執筆なども担当している。一人一人のクライアントと長いお付き合いをすることで、キャリアのホームドクターとして活動している。
2009年10月『働く女性が35歳の壁を乗り越えるためのヒント』を発売(河出書房)
がんばれ工房 http://gambarekoubou.com/




サイト内検索

バックナンバー